耳の中が臭いのは病気のサイン? 湿った耳垢と“ワキガ”の関係性を専門医が解説
◆耳の臭いが気になる場合は“ワキガ”の可能性も…耳垢が湿っている人は要注意
一方「アポクリン汗腺」は、体の中でも耳の中、脇の下や陰部など体の一部にあります。汗の成分は、タンパク質やアンモニア、脂質など、乳白色でネバネバしています。分泌直後は臭いませんが、体の脂肪酸と混ざって皮膚表面の細菌によって汗が分解され、独特な強い臭いが生じます。 汗腺の数は人によってさまざまで、成長による増減はありません。耳の中の臭いが気になる場合は、「アポクリン汗腺」の数が多い可能性があります。脇の下から強い臭いを発する「ワキガ」も「アポクリン汗腺」によるものです。耳の中の「アポクリン汗腺」が多く耳垢が湿っている人は、脇の下の「アポクリン汗腺」も多いと考えられます。共立美容外科の遠山貴之さんは、「ベタベタと湿っている耳垢の方は、汗の量が多くワキガの可能性が高いと言われています」と言います。 「耳垢のほかに自分がワキガかどうかを見分ける方法としては、『服の脇の部分の黄ばみ』が例としてあります。前述のように、ワキガの人の特徴として、エクリン腺よりもアポクリン腺から分泌される汗の量が多いことが挙げられます。アポクリン腺は、鉄分や尿素、脂肪酸、アンモニアなど、さまざまな物質を含んだ汗を分泌するため、皮膚の常在菌と混ざって独特の臭いや色を生じさせます。汗でできた服の黄ばみの色が濃く、ワキガ特有の刺激臭が生じるの場合はワキガの可能性が高いです。 また、ワキガは遺伝しやすいので、両親のどちらかがワキガ体質だと約50%の確率で遺伝します。 他にも第二次性徴期や妊娠・出産時のホルモンバランスの変化、乱れた生活習慣、過度の疲労やストレスがワキガのニオイを悪化させる原因と言われています」 医療機関では、ワキガの原因であるアポクリン汗腺の働きを抑制して症状を緩和する治療が受けられます。臭いが気になった場合は、専門医に相談してみましょう。 「共立美容外科では、脇の下に専用の医療器具を挿入し根本的に臭いや汗の原因となる汗腺を吸引する『超音波ローラークランプ法』や美容マシンの『ミラドライ』を使用して臭いや汗を治療する方法、そして、汗を止める製剤を注射して治療する『ボトックス注射』などの治療方法があります。 特に『超音波ローラークランプ法』は、共立美容外科が開発し特許も取得している手術方法です。これまでの経験と実績をもとに、多様なケースに対応できるよう施術方法をアップデートし、より緻密な施術でワキガの原因を極限まで抑制する『超音波+ダブルローラークランプ法』を、2月より提供開始しました。ワキガの原因となる『アポクリン汗腺』をより広範囲にかつ緻密に取り除具ことができるため、臭いの発生を極限まで抑制します。例えば、身体の大きな方や肩関節の可動域に問題がある方に対しても非常に有効な施術です。いずれも医師がカウンセリングを行い最適な治療方法をご提案させていただきますので、ご相談ください」 【監修者】共立美容外科 副総括院長 遠山貴之(とおやま たかゆき)さん 日本美容外科学会認定専門医/麻酔科専門医 1997年、順天堂大学医学部卒業。1997年、順天堂大学医学部付属病院・麻酔科に入局。2006年、共立美容外科・歯科に入局。2020年、共立美容グループ・総括副院長に就任。