「疲弊するリーダー」がやるべき簡単な1つのこと、ビジネスの結果だけを求める組織は成長しない
世界的に社会や環境の急速な変化やさまざまな課題が起こる中、企業はただ自社の利益を追求するだけではなく、SDGsを考えることが結果的には自らの持続可能性にも繋がってくるということです。 それを個人(リーダー)に当てはめると、リーダー自身が身体的にも精神的にも、そして感情的にも健康でなければ、健全で持続可能なチームを作ることはできないということになります。 ■健全で持続可能なチームの条件 ホリスティックとは「全体的」「包括的」という意味ですが、より広い視野を持ち、組織の成功やビジネスの成果に限らず、リーダー自身の内面の成長や社会との調和も重視したものとなります。
では、そのようなリーダーシップを育てるためにはどうしたらいいか? コロナ禍で私が実施した次世代リーダー育成研修では、地方都市の市長とその関係者が抱える課題に、大手企業の次世代リーダーたちが取り組むことになりました。 まず研修では「殻破り研修」の要素を活用して、主体性と行動力を鍛える3日間のオンラインプログラムから始めました。受講生たちの「やったらできる!」「もっとやってみたい!」という心に火をつけるのが目的です。
実施前の「自分にできるかな?」という少し不安な状態から、「やったらできた!」という経験を経るとチャレンジが楽しくなってきます。仕事とは違う研修の場なので、失敗してもいいということを口酸っぱく伝え、心理的安全性を上げておくことがポイントです。 結果的に受講生たちからは「最近、仕事に対するモチベーションがなかったが、この3日間で勉強する意欲を上げることができた」「自身の足りない点を改めて認識することができ、より一層邁進していこうとポジティブになれた3日間だった」という声をいただきました。
研修後の数カ月間は、通常業務をしながら地方都市の課題に取り組んだのですが、リーダーとしての役割がビジネスの成果だけでなく、より広い範囲にまで影響を及ぼす可能性があることを体感してもらいました。 さらに、その地域に住む外国人留学生たちとチーム(日本人2人+外国人留学生2人)を組んで実施してもらったことで、ダイバーシティ環境の中でリーダーシップを発揮するということにも繋がりました。 最初の3日間で高めた主体性や行動力を持って、地方都市の課題に取り組むことで、自分自身の力で社会に還元できることを実感できるようになります。それを数カ月間に何度もリフレクション(振り返り)をしながら進めることで、自分の強みや弱みを把握しながら、成長している実感を持つことができたようです。