「疲弊するリーダー」がやるべき簡単な1つのこと、ビジネスの結果だけを求める組織は成長しない
ネガティブになってしまうのは、時代背景もあります。正解がない、予測できない、不確実な時代の中で、私たちを取り巻く状況はますます不安定になっています。それでもリーダーたちは、いつだってビジネスの成果を求められます。それがストレスとなり、ネガティブ・リーダーシップに繋がるというわけです。 だからこそリーダーたちがいかに心身を健全に保ち、チーム内にポジティブな空気を作れるか。よく聞く「心理的安全性の高い」「自己肯定感を感じられるような」という意味にも繋がりますが、そんなリーダーシップが求められる中でどうするか? という学びでした。
■リーダー育成のゴールが変わってきた この原稿は久しぶりに訪れたマドリード滞在中に書いているのですが、先日訪問したIE Universityで、今では副学長になっている当時のクラスメイトと話す機会がありました。 私たちが学んだポジティブ・リーダーシップは「ビジネスで成果を出すため」に、いかにポジティブな環境を組織内に作るかにフォーカスしていました。それが今は組織の成果だけでなく、リーダー個人の成長や社会との調和も重視するホリスティック・リーダーシップに進化していると彼女が教えてくれました。
私は10年以上前から国内外(特に海外)で、次世代リーダー層を中心としたビジネスパーソンたちに対して、グローバルマインドセットを鍛える研修を提供してきました。求められていたのは、どのような環境・状況でもビジネスで成果を出せる人材を育成すること。ポジティブ・リーダーシップが目指していたところに近いと思います。 そしてチャレンジングな研修であることから、顧客企業からは「殻破り研修」「修羅場研修」と呼ばれるようになり、とにかくやるしかないという状況をガンガン作り、結果として「やったらできた! もっとやってみたい!」という挑戦意欲をかきたててきました。
これまで100社を超える企業から約2000人の社員が受講しましたが、彼らからは「最初は無理だと思ったが、やってみると意外と何とかなった」「やってダメだったことに対し、何がダメだったかを考え、成果を出すために何をやるべきかを考えることを学んだ」という声や、「研修を通して新しいことを学ぶ楽しさや、最終地点へ到達する喜びを思い出すことができた」という感想が寄せられました。 こうした研修は今でも求められますが、最近は人事担当者から「殻破り」「修羅場」よりも「ワクワク」「心に火をつける」という言葉をより聞くようになりました。おそらくこれは、企業に求められるSDGsや社員のウェルビーイングにも繋がってくる話だろうと思っています。