【箱根駅伝】総合優勝の目標達成へ、駒澤大に欠かせない佐藤圭汰の復調 太田蒼生へ「同じ区間を走るのなら今度は勝ちたい」
伊藤蒼唯「攻めの走りを前面に押し出したい」
1年時は6区で区間賞を獲得したが、前回はインフルエンザの影響があり出走はならなかった伊藤。この1年で主力の一角に成長し、出雲駅伝4区で区間3位、全日本大学駅伝では3区で8人抜きの区間2位と存在感を示した。 駅伝シーズン前は6区への思いを語っていたが、今回口にした希望区間は9区。その理由をたずねると「9区は下り基調で、裏のエース区間とも言われていて強い選手が来るので、そこでしっかり勝負したいです。9区を走ることになればなるべく10区の選手が楽に走れるように、自分のところで順位を決められるように走りたいです」と語る。 昨年は全日本大学駅伝の帰路に発熱し、練習を継続できなかったことでメンバー外となった。「その悔しさを1日も忘れたことはないです」と言い、悔しい経験があったからこそけが、体調不良がなく練習を継続できていると話す。調子は上がっている。「前回よりも箱根駅伝への思い入れは強くなっています。当日は絶好調で迎えられると思います」 ライバルを聞かれると「他大学の同級生全員」だといい、「同じ区間なら勝つのは当然です。他の区間を走る選手たちにも、区間順位では絶対に負けたくないです」と意気込む。ここまで2つの駅伝では攻めの走りができている伊藤。その姿勢をストロングポイントに、2回目の箱根路ヘ挑む。
山川拓馬「上りで勝負して引き離したい」
1年時は5区区間4位と活躍した山川だったが、前回は4区を走ったものの本来の走りができず区間6位となり、青山学院大に1分半近い差をつけられてしまった。全日本大学駅伝後に右の恥骨筋の肉離れを起こし、走る前に不安はあったが「いけるだろう」と考えていた。しかしまったく自分の思い描いたような走りができなかった。 「チームに迷惑をかけた走りでした。今年はそういうことがないように、しっかりと意識してやっていきたいです」。今年の全日本のアンカーでは、襷(たすき)をもらった時点で優勝した國學院大學と2分33秒あった差を28秒まで縮める激走。その後もけがや不安はなくここまで来られているといい、「前回より確実に調子はいいです」と自信をにじませる。 「上りで勝負したい」といい、希望する区間は「2区か5区」と主要区間だ。2区は権太坂やラストの急坂があるのが理由。5区は1年時に走った際、上りで差をつけられて下りで後続を離す結果となったが、「前半の上りで引き離したいです」と具体的にイメージができているようだ。 今回は箱根駅伝未出走の選手も多く走ることになる。実際今シーズンは駅伝デビューした選手が多数いる。出雲駅伝で桑田駿介(1年、倉敷)が1区区間6位、島子公佑(2年、伊賀白鵬)が5区区間2位。全日本大学駅伝では谷中晴(1年、帝京安積)が区4区区間3位、村上響(2年、世羅)が5区区間5位、安原海晴(2年、滋賀学園)が6区区間3位と、初駅伝に臨んだ選手たちがしっかりと結果を残してきている。 大八木総監督も下級生、特に1年の桑田・谷中、2年の村上・安原らの名前を挙げて期待を語ったが、合わせて「自信」の大切さについても言及した。「三冠を達成した時のような自信を選手たちが持っていかないと、勝つのは難しい。自信が結果に出てくるので、自信をしっかりつけてほしいと思います」と心の面での成長も促した。 負けたままでは終われない。箱根路で「令和の常勝軍団」駒澤大の逆襲はなるだろうか。
藤井みさ