【バレー】「日本とパリで決勝を」男子ブラジル代表インタビュー@鹿児島合宿
「スポーツは負けるからこそ学ぶ」ベルナルド・レゼンデ監督
――オリンピックイヤーの今年、代表監督にカムバック。どんな気持ちで引き受けたのでしょう? チームを助けるために引き受けました。前監督に健康面の問題がありました。オリンピックが目前に控えているので、オリンピックの経験があること、バレーボールに愛情を持ち、コートで起きることを理解しているのが私だったということ。就任当初は難しいかなと思いましたが、やり始めたらすぐに勘を取り戻しました。 ――今日もコートの中でいちばん元気でした スポーツではエナジーとパッションが何よりも重要で、私にはあまり長所がないのですが、数少ない私の長所がエナジーとパッションなのです(笑) ――VNLでの戦いはいかがですか? チームはまだバランスを探っている途中です。スロべニア戦を落としましたが、ポーランドには勝つことができた。このチームになってまだ日が浅いので、これからもっとまとめていきます。 ――パリオリンピックに向けての課題を教えてください オリンピックの重圧はすさまじいものです。経験のある選手も若い選手も、テクニックだけでなくメンタルを鍛えて、オリンピックでの試合に要求される強いメンタルを備えなければいけません。若い選手のエナジーとベテラン選手の経験、この両方が必要で、チームとしてこれを融合させることが重要です。 ――息子であるブルーノの調子はいかがでしょう?(ふくらはぎを負傷) 少しずつよくなっていて、フィリピン大会ではプレーできると思います。ブルーノはオリンピックを戦うのに必要な経験、プレーの質、リーダーシップを持っている選手ですから。 ――親子で代表にいる、というのはどんな感じがするものでしょうか チームでは他の選手と同様、あくまで監督と選手としての関係ですが、やっぱり他の選手よりも厳しいことを求めてしまいますね。17年、代表で共に戦ってきましたから。とはいえ息子なので、ケガのときなどは少し心配してしまいます。 ――パリでは日本とブラジルでメダル争いをしたい、とのお話がありました。日本のファンも楽しみにしています ポーランド、イタリア、フランス、アメリカ、日本。これが現在の5トップだと考えています。次いでブラジル、アルゼンチン、カナダ、ドイツが後を追います。私たちも日本のレベルに追いつきたいですね。石川のような卓越した選手がイタリアでプレーして、日本人も高いレベルでプレーできることを証明しました。 ――来季は日本の新しいSVリーグでブラジル人選手がプレーします ブラジル人プレーヤーが日本でプレーすることで、さらに日本のレベルも上がっていくはず。私は1981年のワールドカップで初めて来日し、銅メダルを取りました。日本に来るのは実に37回目になります。バレー以外でも、日本人はいつも他の国にはない親切なおもてなしで迎えてくれると感じます。ファンの愛情はナンバーワンです! ブラジルから遠いのだけが問題ですね(笑) 時差が12時間あって、ブラジルにいる家族との連絡も時差を考えてやらないといけませんから。 ――バレーボールをやっている子どもたちにメッセージをお願いします “ディシプリン(規律)”がとても大切です。厳しい練習を乗り越えれば、いいプレーができ、ゲームにも勝てるものです。スポーツは負けるからこそ学ぶ。負けて学んで、最後に勝ちをつかみましょう。 すらっと細身のレゼンデ監督、コートでの指導は実にエネルギッシュなものでした。インタビューでは選手、監督としての輝かしいキャリアを振り返りながら、気さくにお話してくださいました。公開練習にかけつけたファンへのサービスもたっぷり、ますますファンを増やしたブラジル代表。パリオリンピックでの活躍を期待しています! 取材/泊 亜希子
月刊バレーボール