“3年間の沈黙”を破って登場した「OPPO Find X8」 ハッセルブラッドのカメラを採用した決め手、「おサイフケータイなし」の理由は?
OPPOのスマートフォン史上、最も極薄のベゼルを実現
AIやゲームプレイ時における性能だけでなく、携帯電話としての耐久性能の追求もOPPO Find X8の大きなアドバンテージだ。日本初となるIP69等級の防塵(じん)・防水性能を持ち、真水への浸水や高圧洗浄の水圧、80度の熱湯噴射にも耐えられる、最高等級の防水性能となっている。水滴による画面の誤操作を軽減する、スプラッシュタッチ機能を搭載する。ピーク輝度が4500ニトと高輝度の有機ELディスプレイの保護ガラスには、Corning Gorilla Glass 7iを採用し、米国軍用のMIL-STD-810H規格に準拠している。第三者機関のSGSによる耐衝撃試験もクリアし、薄さ7.9mmながら耐久性能も売りにしている。 「OPPOのスマートフォン史上、最も極薄のベゼルを実現」(中川氏)というわずか1.45mmのベゼルも特徴だ。「ガラスカバーを固定するためのスペースを確保する従来の設計では、ディスプレイの黒い縁の部分に厚みが出てしまうが、OPPO Find X8ではディスプレイケーブルそのものを固定化して、さらにその下側を接着することで、固定スペースや緩衝スペースを節約できた」(中川氏)という。
おサイフケータイがOPPO A3 5Gにあって、OPPO Find X8にない理由
オウガ・ジャパンが同時に発表した、Aシリーズのミッドレンジモデル「OPPO A3 5G」(直販価格は3万2800円)も薄さ7.7mmと、OPPO Find X8よりもさらに0.2mm薄いボディーでありながら、約1.3mの高さからの落下衝撃に耐えられるが、IP54等級の防塵(じん)・防滴の性能で、OPPO Find X8と同等の防水性能は持たない。他にも、アウトカメラが約5000万画素で明るさがF1.8の広角レンズと、約200万画素の深度測定用のデュアル構成である点、ディスプレイが約6.7型の液晶である点、プロセッサにMediaTek Dimensity 6300を採用する点など、細かく見れば、OPPO Find X8との違いは多くある。 バッテリーについても、OPPO Find X8が5630mAhのバッテリーをOPPOの急速充電技術である80W SUPERVOOCフラッシュチャージの使用により約58分で充電できるのに対し、OPPO A3 5Gでは45W SUPERVOOCにより30分で約50%まで、84分で100%まで充電できる。 日本のスマートフォンユーザーの多くが気になるであろうおサイフケータイの対応可否も同時に明らかとなった。OPPO A3 5Gはおサイフケータイ、マイナンバーカードの「スマホ電子証明書」に対応し、コンビニで住民票の写しなどを発行できる。一方、OPPO Find X8はおサイフケータイとスマホ電子証明書には対応しない。 この点は、両モデルの販路、投入時期が大きく起因しているようだ。販路はOPPO Find X8がKDDIのau +1 collection、IIJmio、ヤマダ電機、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、Amazon、楽天市場などで、OPPO A3 5Gがソフトバンク(Y!mobile)、楽天モバイル、IIJmio、mineo、HISモバイル、NUROモバイルなどだ。つまり、OPPO Find X8は大手キャリアが回線契約を伴わずに販売する、いわばアクセサリーと同じ扱いにとどまる。 河野氏は「関係者の方々(OPPO製品を販売する方々、製品の企画段階から関わる方々)が増えるほど、製品に求めるもの、いわゆる日本市場へのローカライズの要求は上がってくる。そうなると、状況によっては製品を世に出しづらくなる」と前置きした。 その上で、「OPPOがメーカーとしてこれから先のOPPOの取り組みや、企業としての方向性を一番強く打ち出したい製品だったことに加え、(中国での発表後に)いち早く日本市場に投入したかったため、あえて(キャリアの)しがらみのないSIMフリー市場での販売を決めた」と、OPPO Find X8がおサイフケータイ非搭載になった事情と日本市場への投入意図を語った。
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