“3年間の沈黙”を破って登場した「OPPO Find X8」 ハッセルブラッドのカメラを採用した決め手、「おサイフケータイなし」の理由は?
世界初をうたう「W型のプリズム構造」を採用
アウトカメラは、F1.8の広角レンズ、F2.0で画角が120度の超広角レンズ、F2.6で光学3倍ズーム対応の望遠レンズの3眼構成で、有効画素数はいずれも約5000万画素となっている。インカメラは約3200万画素でF2.4のみだ。このうち、望遠カメラについては、OPPOが特にこだわったところ。光学3倍相当の望遠カメラながら、遠く離れた月を鮮明に撮影できるのもポイントだ。約7.9mmと薄型なボディーのOPPO Find X8で、なぜそのようなことが可能なのだろうか? 中川氏は、一般的なカメラの仕組みとの比較を交えこう説明する。「レンズから直線的にイメージセンサーに光が届く一般的なカメラの仕組みのままでは、焦点距離をほとんど確保できず、L字型にして厚みを抑えつつ焦点距離を伸ばせても、イメージセンサーが端末と垂直になり、小さなサイズのイメージセンサーしか使えず画質が落ちる」(中川氏)ことから、OPPOは「世界で初めてW型のプリズム構造を採用」(中川氏)した。 「レンズから取り込んだ光を3回反射させ、焦点距離を稼ぎながらイメージセンサーもスマートフォンと平行に配置することで大型化に成功。スマホ本体の厚みやカメラモジュールの突起を最小限に抑えたスリムなデザインでありながら、一般的なハイエンドモデルの光学3倍望遠カメラと比べて、「約2.5倍のサイズとなる1/1.95型の大型センサーを搭載でき、望遠カメラでの高画質な撮影を可能とした」(中川氏)
窓越し撮影時の反射除去、Geminiやかこって検索も利用可能 性能はどう?
AI機能に関してもOPPO Find X8の売りとなっている。AIで被写体の動きを自動で検知し、被写体に合わせて最適なシャッタースピードを自動調整できることに加え、短いフレームで一瞬の動きを捉えつつ、長いフレームで画質を確保するデュアルフレーム技術により、「1秒間に約7枚、30秒で最大200枚記録でき、動きのある被写体をしっかり捉えながら、高い品質で撮影できる」(中川氏)という。 オウガ・ジャパンが6月に発売した「OPPO Reno11 A」で初搭載したAI消しゴムもOPPO Find X8で利用できる。このAI消しゴムがさらに進化し、背景に写り込んだ人物を認識して削除できるようになった。「例えば、人が多い観光地で撮影した写真でも、手作業で一人一人消していく手間をかけず、ワンタップで簡単に処理できる」(中川氏) 反射が写り込み、通常ならうまく撮影しづらい、窓越しの撮影シーンにおいても、AIが役立つ。OPPO Find X8では、写り込んだ反射を識別してきれいに除去でき、「観光地や展望タワーからの眺め、電車や飛行機からの景色をきれいに美しく残せる」(中川氏)という。写真のトリミング時に失われる鮮明さやシャープさをAIで取り戻すAI鮮明度強化機能、まばたきをした目を開いた状態に戻すAIベストフェイス機能、1枚の顔写真から生成AIと多彩なテンプレートで、もう1人の自分を生成できるOPPO独自のAIスタジオアプリも利用できる。 GoogleのAIアシスタント「Gemini」や、検索したいものが含まれる画面を表示した状態で、ナビゲーションバーかホームボタンを長押しした上で、円を描くように気になるものをかこって検索できる「かこって検索」も利用できる。AIで、ディスプレイに表示された文章を要約したり、翻訳したり、メッセージを作成したり、文法を修正したり……といったことも可能だが、日本語への対応ができていないことから、「2025年3月以降に対応する予定」(中川氏)だ。 プロセッサにはMediaTek Dimensity 9400を採用しており、省電力コア非搭載の全ビックコア設計であることに加え、エージェンティックAI対応のNPUを搭載し、先述のAI関連機能の処理に活用する。OPPO独自のトリニティエンジン(アプリデータ圧縮技術、システム劣化防止機能、パフォーマンス最適化)は「さらに多くのリソースへアクセスでき、性能を引き出しながらエネルギー消費を抑える」(中川氏)ことが可能になった。 ゲームプレイ時のパフォーマンスについて、中川氏は「原神ならゲーム開始時から最高の60fps、PUBGなら120fpsを維持し安定してゲームをプレイできる」と一例を示し、「ラグやフレームドロップがほとんど発生しない」とアピールする。ゲームなどの負荷の大きな操作による発熱は、「高品質なグラファイトシートと、大型の水冷機構で効率的に発散させ、パフォーマンスの維持につなげている」そうだ。