宮崎商・中村主将 「人生をかけた」意地の一打 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第2日の20日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、宮崎商の中村碧人遊撃手(3年)は八回に適時三塁打でチームに唯一の得点をもたらし、意地を見せた。 「人生をかけて打とうと思った」。0―7の八回1死一塁。真ん中に入ってきた直球を振り抜くと、白球は中堅手の頭上を越えてフェンス手前まで伸びた。一矢を報いた適時三塁打だった。 右腕・達の持ち味は長身から繰り出す直球で、「対戦してきた投手の中で一番優れていた」。それだけに、相手の得意球を狙い澄ました。「いい感じでタイミングも合った」。三塁に達し、右腕を突き上げた。 昨秋の九州大会準々決勝で2打席連続本塁打を放つなど、高校通算27本塁打のスラッガー。達の登板を想定し、ピッチングマシンの球速を160キロに設定して速さに目を慣らし、一段高い台の上から投手に投げてもらうことで角度対策もしてきた。大会前に一度崩した調子も、積極性を意識することで徐々に改善。4度目の打席もファーストストライクをたたいた。 公立校の主将として、52年ぶりのセンバツに地元の大きな期待も感じてきた。ただ、チームは4失策など課題が噴出。「取るべきところで点が取れないし、守るべきところで守れなかった」と反省が口を突いたが、意地の一打はキラリと光っていた。【新井隆一】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。