下位に固まったホンダ・シビック&BS陣営、手応え十分の6番手64号車Modulo&ダンロップ/スーパーGT第6戦予選日
スーパーGT第6戦SUGO、予選日は事前の予報どおりウエットコンディションでの開催となった。午後から強まる雨模様に対してGTAは各チームにフリー走行を決勝スタート順となる可能性を通知していたことから、走り始めのフリー走行はさながら時間制限の予選セッションの様相に。結果的に午後の予選はキャンセルとなり、フリー走行の順位が決勝スタート順となったが、トヨタ/GRスープラ陣営がトップ4、ホンダ・シビック勢のブリヂストン(BS)勢が10番手から13番手と下位に沈む結果となった。 【写真】スーパーGT第6戦SUGO、下位グリッドに沈んでしまったシビック・タイプR-GT勢 これまでのどの車種でもSUGOを得意としていたホンダ陣営。なぜ、ここまでの苦しい結果となってしまったのか。今回のSUGOでサクセスウエイト30kgで優勝候補の1台に挙げられていた16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT(13番手)の大津弘樹に聞く。 「ちょっと苦しい状況というのはたしかにあるとは思うのですけど、フリー走行でアタック合戦になったとはいえ、それぞれクリアラップだったり雨量の違いだったり、タイミングが難しかったです。最後のトップタイムが出た時は雨量が少ない時に上位のタイムが出ていた。その時に僕たち16号者としては硬い側のウエットタイヤを履いてテストをしていたので、今の順位がすべてかと言えば、僕はそうじゃないと思います」と大津。 今季のタイヤ持ち込みセット数は、300kmレースはウエットタイヤは5セットまで。もちろん各チームごとに同じソフトでも構造などの違いがあるが、ざっくり言うと今回のウエット持ち込みコンパウンドはハード1、ミディアム3、ソフト1という組み合わせで選んだチームが多いようで、フリー走行では予想以上の低気温でソフトが正解だった。 そのような状況で、あくまで想像の部分が多くなるが、ホンダ陣営のBSユーザーは徐々に天候が悪化すると読み、セッションの開始直後に虎の子のソフト側のウエットタイヤを投入。しかし、その後のセッション中盤の方が雨量が少なく、さらに多くの車両が走行したことで路面がドライアップ。そのタイミングではソフト側のニュータイヤはなく、逆にそこでソフト側のタイヤを投入したトヨタGRスープラ勢が上位に来ることになった、と言う状況が考えられる。 「これは全車に言えることだと思うのですが、今の自分たちの立ち位置がわからないです。僕たちとしては、せめて専有走行ができた状態で明日のスタート順位を決めて欲しかったなと思います。今回はそれぞれのタイミングの要素が大きかったと思いますので『たまたまこうなった』と思いたいですね。自分たちの本当の順位がわからないので、なんとも言えないというのが正直なところです」と大津。 クルマも持ち込みのセットアップから変更する時間も余裕もなく、まさにガラガラポンの状態で決勝スタート順が決まったことに、大津にとっても釈然としない想いもあるようだ。 ⚫︎好調ダンロップ&64号車Modulo CIVIC TYPE R-GT、大草は決勝に自信 一方、ホンダ陣営の中で唯一のダンロップユーザーであるModulo CIVIC TYPE R-GTは、この日の走行をすべて担当した大草りき(表示のトラブルでセッション前半は伊沢拓也の名前が表示)が6番手という陣営内最上位タイムをマークした。大草がアタックを振り返る。 「アタックした周、GT300に引っ掛かっちゃったので、あとコンマ3~4秒は行けたかなと思うので、ちょっと悔しいタイムですね。タイム的にはまだ全然上がります。(全体ベストタイムをマークした)最終セクターは誰にも引っ掛からなかったのですけど、セクター1でピットアウトをしてきたGT300と交錯するような形になって、引っかかってしまいました。前とかなり距離は空けていたのですけど、ピットアウトしてくるのはアタック前には見えないですし……でも、しょうがないです。タイミングがありますので」と、好結果にも悔しさを見せる。 今回のダンロップのウエットタイヤは、速さだけでなく耐久性にも優れているようだ。 「コンパウンドは2種類持ってきていて、1種類目は走り出しで乗ってみたものが、今の路温だとキツイというのがわかって、もう1種類の方でずっと最後まで走っていました。他のマシンもどんなタイヤなのかわからないですけど、最後は雨量も少なくなってきていましたし、僕たちは走り出し10分くらいで交換したタイヤで走り通せたので、タイヤ的にも(ニュータイヤでの一発なら)もう少しタイムの上がり分はあるのかなとは思います。ですので、今日は普通に予選がしたかったですね。摩耗についても最後までタイムも出ていましたし、明日のレースに対しては結構、期待があります」と大草。 決勝日は午後から晴れとなる予報で、雨上がりの路面からのドライアップというコンディションが予想されている。果たして、今回の予選日で低迷したシビック&BS勢の巻き返しはあるのか。そして、前回の富士6位に続いてウエットのSUGOでも64号車Moduloが活躍を見せるのか、ホンダ・シビック勢の各車のパフォーマンスが気になるところだ。 [オートスポーツweb 2024年09月21日]