清春とBorisの共闘、インディペンデントの精神、誇り高く生きる「美学」を語る
2024年3月初旬、Borisと清春は約1週間にわたるオーストラリア2マンツアー「Boris ”Heavy Rock Breakfast” -extra- AUS Tour March 2024 Special Act 清春」を行った。清春とBorisのフロントマンAtsuoが7年前に出会ったことをきっかけに、Atsuoの誘いで実現したこのツアー。清春にとって初のオーストラリア公演であり、初の海外ツアーだった。 【写真を見る】清春・Borisのライブ写真 11月末には、日本での2マンツアー「HEAVY ROCK BREAKFAST JAPAN TOUR 2024」を控える2人に、オーストラリアでの10日間を振り返りながら、そこで感じた想いを語ってもらった。 ―そもそもの出会いから聞かせてもらえますか? 清春:知り合ったのはMORRIEさんがきっかけです。DEAD ENDのトリビュートアルバム(『DEAD END Tribute - SONG OF LUNATICS -』)にBorisが参加するのを知って、MORRIEさんに聞いたら日本人で海外を中心に活動しているバンドだって教えてくれたんです。トリビュートに収められているBorisが演奏した「冥合」を聴いて、最初すごく違和感があったんですよ。日本語の曲なのに英語のようにも聞こえて、僕が子供の頃から崇拝しているバンドの曲なのに、なんだこれは?と。写真を見たら見た目も怪しかったし(笑)。初めて会ったのは(目黒)鹿鳴館ですか? Atsuo:2017年に鹿鳴館でやったMORRIEさんとBAKIさん(元GASTUNK)のライブ(2017年6月25日「BAKI vs MORRIE "In Gods’ Garden”」)でしたね。 清春:そこでAtsuo君を見つけて、思い切って声をかけたんです。 Atsuo:その時、『Dear』っていうアルバムのサンプルをお渡しました。 清春:そのCDのジャケットがすごくかっこよくて、このデザイナーさんと仕事をしたいって話したんだよね。デザイナーの河村康輔君に連絡を取って『夜、カルメンの詩集』のジャケットのアートワークをやってもらいました。 Atsuo:僕は黒夢もSADSも、知ってはいましたが曲を聴いたことがなかったんですけど、『夜、カルメンの詩集』にめちゃくちゃハマっていろいろ聴くようになりました。MORRIEさんを介して知り合っているので、これまで聴いてきたルーツ的な部分も共通しているし、それから何度かお会いするなかで距離が縮まっていった感じです。 ―そうした交流を経て、今年初めてツアーが実現したんですね。 Atsuo:出会って7年ですね。 清春:その間、コロナもあったからね。 Atsuo:今回のツアーはこちら側が発端ですが、お互い音楽活動に対してとても慎重ですから、すぐに一緒にライブをやろうって感じにはならなかったんですよ。何があり得るのかなってずっと模索してきて、声をかけることができたのが今回のツアーでした。日本で一緒にやると、どうしても清春さんに甘える状況になってしまうので、まずは海外でやったらいいんじゃないかと思って。 ―それがオーストラリアだったのは何か意図があったんですか? Atsuo:実はオーストラリアでツアーをまわるのってすごく大変なんです。毎日飛行機移動だから。でも、サイズ的には大都市6、7本で完結できるから期間は短くて済むんですよ。全米ツアーやるとしたら30本以上はやらないといけないし、VISAの問題もある。ヨーロッパもやはり6週間は回るので。海外ツアーを組む時は現地のサポートを付けて、できるだけ長期間回る方が効率がいいので、スタッフも長くやりたがるんです。 ―清春さんは周年イヤーの最中ですし、そんなに長い時間日本を離れられないですからね。 Atsuo:だからそう考えると、オーストラリアが現実的だなと思って、10日の中で週末に大きい都市を回るように組んで、Borisがフェスに出る時に休憩入れてもらって……とか考えて。ブッキング当初に、連日はちょっと厳しいっていうリクエストがあったので。 清春:若い時ならいいんだけどね。今回は1公演1時間だったから、やろうと思えばできたけど。