映画『十一人の賊軍』のコラボビール十一本を飲む(其の三)
今回のコラボビールで、月岡ブルワリーが初めて醸造したのは「なつのピーチサワーエール」と「ノロのコーヒーポーター」の2つだそうだ。「過去にコーヒースタウトの醸造はありましたが、今回はよりクラフトビールファンだけでなく映画や俳優さんのファンにも受け入れられるように、より軽い飲み口のポーターにしました」と三宅さん。その他のビアスタイルは過去に限定醸造として作ったことがあるという。小規模ブルワリーで、ほぼ同時期に11種類ものビールを造るのは並大抵のことではなかったはず。ご苦労さまです。
さて、IPA3種の最後に飲むのは「三途のコールドIPA」。コールドIPAってなんだっけ? スマホで検索すると、ラガー酵母を使用し、ホップのフレーバーとアロマを感じられるビールを目指して造り出されたIPAのようだ。ラガー酵母ならIPL(インディア・ペール・ラガー)なのでは?と思ったので、さらにスマホで調べると、「ビール女子」に<コールドIPAはラガー酵母を使用しているものの、エールビールの温度で発酵させる>とあった。ふーん。
グラスに注ぐと、見た目はほんのり濁った黄金色。ホップの香りがほのかに漂う。口に含むとフルーティーなフレーバーが広がる。苦味はソコソコ。ホッピーでモルト感はない。フルーティーなフレーバーは最後の一口まで残った。
映画の「三途」は、パンフレットによると<貧乏な百姓。一家心中を試みるも自分だけ死に損ない、罪人となる>。三途の川を渡り損ねたから三途のようだ。なぜコールドIPAが三途なのか?
「ビール女子」によると、米国ポートランドの「Wayfinder Beer」が2018年にコールドIPAを初めて造った。そのオフィシャルサイトの「WHAT IS A COLD IPA?(コールドIPAとは?)」という項目にコールドIPAの歴史がつづられ、「It’s Wester than West Coast.(それはウエストコーストよりもさらに西)」という一文で締めくくられているという。