映画『十一人の賊軍』のコラボビール十一本を飲む(其の三)
酔いどれ編集長のクラフトビール飲みある記(98) 前回までのあらすじ 東映の映画宣伝部Oさんから11月1日に公開された映画『十一人の賊軍』のコラボビールを、この連載で取り上げてほしいと頼まれた。映画の舞台、新潟県新発田市にある「月岡ブルワリー」が醸造したコラボビール11本は、映画に出てくる賊軍11人のイメージに合わせて造っているという。試写会を見た日の夕方から相棒(クラフトビール愛好仲間)とレンタルスペースで飲むことにしたが、当日朝に相棒が発熱。一人で11本は飲めないので、厳選したIPA(インディア・ペール・エール)3本による「孤独の試飲会」となった。 ◇◇◇ 最初に飲んだ「爺っつぁんのIPA」の見た目はやや濁った薄めのブラウン。グラスに注いでいくと、モルトの香りが漂ってきた。ゆっくりと口に含むと、甘さ少なめのモルティーで苦みしっかりだった。コラボビールは、映画に出てくる賊軍11人のイメージに合わせて造っており、このIPAを映画に出てくる賊軍の一人である「爺っつぁん」にした理由を「映画の爺っつぁんは苦み走った初老の剣術の達人。それだけに苦みの強いことが大きな特徴であるIPAを選んだ」と考察した。 ここで、ビールとの関連を分かってもらうために『十一人の賊軍』の概要を紹介したい。以下はOさんからもらった映画の資料だ。 <砦を死守せよ! 新政府軍VS旧幕府軍VS11人 『仁義なき戦い』など数々の傑作を生みだした名脚本家・笠原和夫の幻のプロットを、白石和彌監督が映画化。 W主演の山田孝之と仲野太賀が躍動する、新たな集団抗争劇! 圧倒的不利な砦の護衛ミッションに挑んだ十一人の決死隊。 新発田藩、旧幕府軍、新政府軍…三者の思惑が交錯するなか、十一人の壮絶な戦いが始まる! 命を燃やし権力に抗った者たちの姿に心がアツくなる、今の世の中にも通じる衝撃作!> コラボビールに名前がついているのは<圧倒的不利な砦の護衛ミッションに挑んだ十一人>というわけ。2本目に選んだ「引導のヘイジーIPA」をグラスに注いで驚いた。 褐色が強かったからだ。