日本フェンシングが「大躍進」 メダル量産で強豪国に……なぜ? 支えは“フランスの魂”のコーチ【#みんなのギモン】
日テレNEWS NNN
パリオリンピックで、日本のフェンシングがその歴史を塗り替える大躍進を見せました。北京大会での初メダルから 16 年。男子エペ個人と男子フルーレ団体の金をはじめ、メダルを量産しました。背景に何があるのか、ロンドン大会の銀メダリストに聞きました。そこで今回の#みんなのギモンでは、「フェンシング日本 なぜ大躍進?」をテーマに解説します。
■エペ・フルーレ・サーブルの 3 種目
河出奈都美アナウンサー 「フェンシングは有効面の違いなどで、エペ(全身・突きのみ)、フルーレ(胴体のみ、突きのみ)、サーブル(上半身、突きと斬り)と 3 種目あり、それぞれ個人と団体があります」
■各種目の個人と団体でメダル量産
河出アナウンサー 「今大会ではまず、男子エペ個人で加納虹輝選手が日本フェンシング界初となる個人種目での金メダルを獲得しました」 「続いて女子フルーレ団体の銅メダルです。こちらも日本女子フェンシング界では初のメダルです。前回の東京大会では金メダルだった男子エペ団体は、個人で金メダルをとった加納選手も出場し、連覇が期待されていましたが、惜しくも銀メダルとなりました」 「続いて女子サーブル団体。3 位決定戦では個人戦の金・銀メダリストを擁するフランスを破り、銅メダルを獲得しました。サーブル種目では日本初のメダル獲得です」 「そして、 男子フルーレ団体の金メダルです。2012 年ロンドン大会の銀メダルを超え、フルーレ種目初の金メダルとなりました」 「フェンシングだけで金 2、銀 1、銅 2 と 5 つのメダルを獲得しています。太田雄貴さんが日本フェンシング界初のメダルをもたらしたのが 2008 年の北京大会でした」 「そこからロンドン、東京とそれぞれの大会で日本はメダルを 1 個ずつ獲得し、計 3 つとなりましたが、パリだけで 5 つと上回りました」
■パリ大会に向け体制強化…コーチは?
鈴江奈々アナウンサー 「フェンシング界が底上げされた、強くなった秘訣は何かあるんですかね?」 河出アナウンサー 「日本のフェンシングがここまでの進化を遂げた理由、気になりますよね。2012 年ロンドンオリンピックの男子フルーレ団体で銀メダルを獲得し、現在はパラフェンシングのナショナルコーチを務める三宅諒さんに 5 日、お話を伺いました」 「三宅さんによると、今回パリに向けてとにかく体制を強化してきました。その中でも、強豪国のフランスからコーチを招いたことが特に大きかったということです」 「元フランス代表でメダリストのボアダンコーチやルペシュコーチが入ったことで、フランスでの事前練習ができました。これにより本番でのストレスも減らすことができたそうです」 「またルペシュコーチは東京大会の金メダリストで、“フランスの魂”と呼ばれるくらいフランスチームの根幹の選手でした。そんなコーチがいてくれることは精神的な支えになったのではないかと、三宅さんはみていました」 「さらに日本チームに勢いを与えたのが、男子エペ個人の加納選手の金メダル。これで他の選手も不安が払拭され、メダルの量産につながったのではないかと三宅さんは話していました。今回の大躍進で日本は 、フェンシング強豪国のひとつになったといいます」