「中継ぎも、ってなんですか」ソフトバンク松本裕樹が取材後に見せた怒り 背番号66に芽生えた救援陣の柱としての意識
ある取材で相手が口にした何げない一言が引っかかった。それは野手や先発だけでなく中継ぎも取り上げていくという言葉。「中継ぎも、ってなんですか」。終了後、球団スタッフに静かに怒りをぶつけた。ソフトバンク松本裕樹のリリーフとして培ってきたプライドが垣間見えた瞬間だった。【#OTTOホークス優勝特集】 ■松葉杖でグラウンドへ…近藤が小久保監督と熱い抱擁【写真】 「どうしても(中継ぎは)スポットライトが当たりにくいところ。その辺はチームの一員というのを、表現としてちゃんとしてほしいなと」 2022年以降はすべて救援としてマウンドに上がってきた。特に今年はセットアッパー、さらにシーズン途中からは守護神を任されてきた。「1軍で回ったりすると、大変な部分は感じるところはあった。(中継ぎを)やっていくうちにそういう(周囲との感覚の)ずれっていのは感じるようになってきた」。難しい立場でベストを尽くしチームの勝利に貢献してきた。その自負が徐々に芽生えた上での発言だった。 任された役割に人一倍向き合い、その姿は周囲も認めるところ。その意識の高さから、今季は特に若手の良き手本としての姿も見せてきた。ルーキーの大山凌は練習量の多さに舌を巻く。「ウエートルームに行くと大体いる。あれだけ投げて毎日トレーニングしている」。今年からウエートトレーニングの量を増やしてきた。試合中にウエートルームに行くこともあった。「若い子たちには早い段階でそういうことが必要だと気づいてほしい。自分がもっと早くからやれれば良かったと思っているので、そういうのが伝わってくれていればいい」 ドラフト1位で入団。斉藤和巳4軍監督が現役時代に背負った背番号を与えられエースとして期待されてきた。終盤に悔しい離脱をし、現在は復帰に向けトレーニングを続ける。ただ、リーグ優勝の原動力の一人として松本裕がいたことは事実だ。マウンド上では静かに抑え、裏では背中でチームを引っ張る。まさに背番号「66」の後継者らしい姿だった。(鬼塚淳乃介) 【おすすめ記事 優勝特集】 女性関係の不祥事で大批判…山川穂高を支えた妻の一言、小久保監督の長男&長女が父に贈る言葉、秋山幸二さんが語る小久保采配など西スポWEB OTTO!が総力取材したとっておき優勝記事がたっぷりです。 ▼下記の関連記事から▼
西日本新聞社