和牛もっと食べて 11(いい)月29(にく)日へ 外食が続々提案
部位9種「肉タヌーンティー」も
外食チェーンが、29日の「いい肉の日」に合わせた和牛メニューの提案を強化している。輸入牛肉の高騰を受けて、和牛の引き合いが出ており、低迷していた枝肉相場が回復してきた。需要期の年末に向けて消費の盛り上がりに期待がかかる。 【データで見る】和牛の相場推移 外食各社は「いい肉の日」に向け和牛の調達を強めている。「やきにく山笑ふ」(東京都渋谷区)では、和牛を中心とした9種類の部位をすき焼きや肉ずしなどで楽しめる「やきにく屋の肉タヌーンティー」(6400円)を販売。29日までの期間限定で、5000円相当の「黒毛和牛リブロースステーキ」が無料で付いてくる。 「肉のヤマ牛」では、国産牛ステーキ150グラムを豪快に載せた「牛ステーキ丼」(1290円)を用意する。同社は「肉自体のうま味をダイレクトに堪能してほしい」と話す。 消費が活発化し、低迷していた和牛相場が上向いてきた。和牛の建値となる東京食肉市場の11月(27日まで)の加重平均価格(A5・去勢)は1キロ当たり2649円となる。大きく低迷した8月(2322円)に比べると上向き、昨年並みの水準に回復した。ただ、飼料高で経営が苦しい肥育農家にとって十分な水準とは言えない。 枝肉相場の回復が進むかは、年末の需要期に向けた消費がポイントとなる。干ばつの影響が続く米国産を中心に、輸入品は価格高騰が続き、国内の業者が調達を抑える傾向だ。大手食肉卸は「国産に値頃観が出ており、調達を増やしたい実需は増えている」と商機をみる。
日本農業新聞