帰還中のはやぶさ2は今 JAXA会見(全文2)探査機もすこぶる順調
帰還後のミッションはどういう基準で決めるのか
毎日新聞:あと、帰還後の話についてなんですが、いろいろな候補天体が見えてきたとか、サイエンスの方も含めて検討しているとか、そういったお話は聞くんですけれども、具体的に今どういうことをされていて、どういった基準で次にいくことを決めるのか。また、行くこと自体がどういう過程で決められるのかというところを、差し支えない範囲で教えてください。 吉川:ではまず私のほうからご回答しますと、まず一番最初にやったことは、先ほどのご質問ありましたように、どのくらいの燃料が余るかというのをだいたい想定して、その余った燃料で地球帰還後に探査機がどこまで行けるかという確認をやりました。 これは、まだ今後も引き続きやる予定ですけれども、取りあえず今年の1月の段階で、どのくらいの小惑星に行けるかとか、あるいは惑星に行けるかというのを、軌道だけの観点で調べてみると、取りあえず300個ぐらいの候補の小惑星について考えて、かつ地球帰還後10年前後、10年ちょっとぐらいの期間で考えると、それなりの数、数十個かもうちょっと多いぐらいですか、行ける小惑星はあるということなんですが、これはまだ必ずしも小惑星に行くということが決まったわけでもないですし、行ける小惑星といっても、今度は小惑星のほうの軌道の精度が悪かったりするのもあるので、今後は、仮に小惑星に行くとしたら、確実に行けそうな、正確な軌道、あるいは科学的にも意味のありそうな天体を絞り込んでいくという作業をすることと、別に小惑星でなくて、惑星、フライバイとか、あるいはかなり遠方まで行ってみるとかいろんな可能性はあるので、そういった可能性も合わせて、何をするのが一番、後期、延長したミッションとして有意義かというのを議論していくということになります。
どういう形で決めるのか
毎日新聞:議論した結果、それがゴーサインが出るかどうかというのは、どういう形で決められるんでしょうか。 吉川:そこも、まずこういう可能性があるというのをプロジェクトから出さないといけないんですけれども、そのあと掛かる期間、どのくらいの期間掛かるか、そうするとどのくらいのコストが掛かるかとかそういったことが出てきますので、必要なコストをどのように得るかとか、そういった議論を進めていくことにはなるんですが、まだここら辺は今後の課題と、今後の検討ということになります。 毎日新聞:最後に関連で、募金活動をまた始めていらっしゃると思いますが、それについてどんな今のところ反応か、また何かメッセージがあれば教えてください。 吉川:プロジェクト側ではあまり把握していなくて、広報側で。 司会:あとで確認します。それでは次のご質問ある方。では、右側の前から2列目の方。 【書き起こし】帰還中のはやぶさ2は今 JAXA会見 全文3に続く