南海トラフ、避難所90超を開設 万一への備え本格化、お盆に影響
気象庁が初めて南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表したことを踏まえ、愛知、和歌山、高知、鹿児島の4県19市町村が90カ所超の避難所を開設したことが9日、各自治体への取材で分かった。被害が想定される地域では万一への備えが本格化。東海道新幹線が減速運転し、和歌山県白浜町が海水浴場を閉鎖するなど、お盆の観光・帰省シーズンに影響が出た。一部の自治体が不要不急の旅行自粛を呼びかける混乱も起きた。 岸田文雄首相は訪問先の長崎市で記者会見し、9日からの外遊取りやめを表明。「政府としての対応や情報発信に万全を期すべきだと判断した」と述べた。林芳正官房長官は「旅行、帰省など日常生活の社会経済活動を継続し、備えを再確認してほしい」と求めた。 9日午後までの各自治体への取材で、避難所は高知県の16市町村や鹿児島県肝付町など計93カ所。愛知県岡崎市は防災指針に基づき自主避難所20カ所を設けた。1週間は続ける予定としている。和歌山県海南市は浸水の恐れが低く、長期間確保できる2カ所の避難所を準備した。