円は対ドルで152円台半ばに上昇、米感謝祭の祝日控え円買い戻しも
(ブルームバーグ): 27日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=152円台半ばに上昇。トランプ次期米大統領の関税政策に対する警戒感や米利下げ織り込みの進行がドル安・円高要因となる中、米感謝祭を控えた持ち高調整の動きが円高圧力を強めている。
みずほ銀行金融市場部グローバル為替トレーディングチームの南英明ディレクターは、円高の動きについて目立った材料はないとした上で「月末に絡んだ円買いや、海外勢による米感謝祭前の利益確定のドル売り・円買いが相場を主導している」と語った。きょうはスポット取引の決済が月内最終営業日に当たるため、月末に絡んだ取引が相場のかく乱要因になり得る。
関西みらい銀行の石田武ストラテジストは、円相場は154円から155円でのもち合い相場から円高方向に動き出し「上昇しやすい」と指摘。トランプ氏の関税賦課表明による世界経済への懸念がくすぶりやすいことや米利下げ観測の高まりを理由に挙げた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)が26日に公表した11月会合の議事要旨によると、当局者が緩やかな利下げを幅広く支持したことが分かった。石田氏は「米国の利下げ織り込みと日本の利上げ織り込みがそれぞれ6割を超えており、来月の金融政策決定を意識したポジション調整の円買い戻しが出てきやすい」と語った。
イスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの停戦合意について、石田氏は円相場にとって中立的だと指摘。投資家心理の改善が円安要因となり得る一方、地政学リスクの後退で原油価格が下落したことは円高要因だと述べた。
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Daisuke Sakai