「仕事ができない人」一発でわかる“2大NGワード” ダメ社員「なんとなく」の発言、あまりに多い訳
その違いは、一言でいうと「なんとなく使う言葉」の多さです。その代表的な例として、いまから典型的なパターンを2つほどご紹介しましょう。 NGワード①「アレ」 ある研修参加者が、「そっちではなくこっちをやったほうがアレだと思いますが……」と発言していました。 私はすぐに「申し訳ありません、アレとは何のことでしょうか?」と尋ねてみます。するとこの人物は「えっと……」と言葉に詰まり、説明ができません。この人物は「アレ」が何のことなのか自分自身でわかっていない状態で、つまり「アレ」という言葉を定義せずに使っているのです。
あなたの職場にも、ビジネスの大事なコミュニケーションで「アレ」という言葉を使う人はいないでしょうか。おそらくその人物は「アレ」が何なのか実はわかっていません。物事を深く思考することができていないのです。 私は優秀な経営者が「アレ」などという言葉を使うことを見たことがありません。言葉のひとつひとつの定義や意味に極めて敏感である証です。 NGワード②とりあえず言っておけば伝わりそうな言葉 ビジネスパーソンの対話を聞いていると、驚くほど多くの場面で「自ら意味を説明できない言葉」が使われていることに気が付きます。
たとえば、ある研修で行ったグループワーク中に、参加者のひとりが「掘り起こしを実施して付加価値分の売り上げを……」と発言していました。それにつられて他のメンバーも「掘り起こす」という言葉を使って対話をしています。 そこで私は、このグループのメンバーたちに、「掘り起こすとは何をどうすることなのでしょうか。素人の私にもわかるように教えていただけますか?」と尋ねてみました。 するとメンバーたちは気まずそうに、ゴニョゴニョと説明になっていない説明をします。そしてメンバー間でも「掘り起こす」という言葉の解釈が違うことが露呈します。
つまり「掘り起こす」という言葉の定義を気にする発想がなく、その状態のまま「掘り起こす」という言葉を乱発して意味が通じ合っているフリをしていたのです。果たして彼らは実際に仕事において「掘り起こす」が実現できるのでしょうか。 このような場面は、ビジネスシーンでもよくあることだとは思います。しかし、いい大人がこのようなフリを平気でしてしまうことはとても恐ろしいことではないでしょうか。 ■「言葉の定義」が甘いと成果が出ない2つの理由