オンライン取材や生演奏禁止…コロナ禍で対策さまざま 選抜高校野球閉幕
新型コロナウイルス感染防止のため前回大会が中止になり2年ぶりに開催された第93回選抜高校野球大会。前回大会の代替として開催した昨年夏のセンバツ交流試合は無観客試合だったが、今大会は1試合上限1万人の観客を入れて実施され、1日閉幕した。選手や関係者、観客らの新型コロナの感染防止のため、さまざまな対策が取られての開催となった。 【今大会のホームラン】 開幕前に出場32校の選手やチーム関係者ら約1000人と大会運営に携わるスタッフ約250人がPCR検査を受け、1回戦を勝ち上がった16校の関係者は再度検査した。観客の入場券は前売りのみの全席指定で、アルプス席は学校関係者だけ入場できるようにした。 報道陣も大会期間中は選手や監督への対面取材は制限され、球場で生で試合を見ながら試合後はオンラインでの共同インタビュー取材などに限られた。 学校の特色が出るアルプス席の応援も、今回はブラスバンドの生演奏は禁止されたが、事前に各出場校や市立尼崎高の吹奏楽部が録音した音源をスピーカーで流した。各校は制限があるからこそ、知恵を絞って工夫を凝らした。ただ、チアリーダーや部員、保護者らスタンドの人たちはマスクをしながら応援したが、興奮すると自然と声が出たり、周囲の人と集まって喜びを分かち合ったりする姿も一部で見られた。 日本高校野球連盟は今回の感染予防ガイドラインなどは今後の春季都道府県大会や地区大会、選手権大会の土台として改善していく方針。 日本高野連の小倉好正事務局長は「『今年こそは』の思いで準備してきたが、阪神甲子園球場での選手たちの活躍を見ることができ、開催できて良かったと思う。今大会で得た経験をもとに、今年の選手権大会、来年の選抜大会の運営に生かしたい」とコメントした。【荻野公一】