説明責任不足で真相は闇に!なぜ女子プロゴルフ協会は笠りつ子の暴言問題に大甘処分を下し背景調査を行わなかったのか?
罰金も科されない“大甘処分”とも取れる厳重注意処分に留まったことに対しては、「笠選手本人は現在自粛中で、試合に出ないことは重いことです。それを加味した上で処分を下しました」と説明した。 それでも笠は、すでに次週の「大王製紙エリエールレディス」にはエントリーしており“自粛”は不十分にも感じられるが小林会長は「処分は決まっているので、出る出ないは、笠選手、本人の意思次第です」と協会側の方針を話した。 暴言発言についての調査内容が一切、明らかにされておらず、その正確な発言内容やクラブハウスでのやりとりなどの事実関係の詳細も発表されなかった。このことに対し小林会長は、「笠選手の言葉はインパクトもあるし重いです。(笠が)謝罪文を発表したことで先方は十分だと思っているし、選手も反省しています。調査の中で、先方も、笠選手の暴言を誘発するような発言をしたことは否定できないというやり取りもありました」と問題発言をした。 もしゴルフ場サイドの応対にも問題があったのならば、笠りつ子の名誉のために明らかにするべきで、それも厳重注意処分に留まった理由のひとつであるのならば、詳細を正式調査結果として発表する必要があるだろう。 逆に「(暴言の)誘発発言」がなかったのであれば、この小林会長の発言は大問題。いずれにしろ何があったのかが、闇の中に封じこめられたままの不可解な処分決定となった。 またバスタオルが脱衣場から撤去されたことが、選手にいつ、どう通達されていたのか、ということについては「前日の水曜日の夕方にゴルフ場さんがタオルを貸し出さないという要望を運営会社に伝えました。その時点で協会とは協議はしておらず、協会側が知ったのは翌朝です」と、バスタオルの撤去を事前に選手に伝えていなかったと明らかにした。 この協会側の連絡不徹底の不手際が、笠りつ子を誤解させ、口論につながったとも考えられるが、もうひとつの問題は、なぜバスタオルが会場のクラブハウス内から撤去されるようになったのか、という今回の問題が起きた背景についての調査、今後の再発防止対策だ。 もしゴルフ場の備品であるバスタオルを無断で持ち帰る事態が頻発していたのであれば、女子プロのあり方を問われる大きな問題であり、今後の再発防止のためにも突っ込んで調査しておかねばならない案件。 しかし、小林会長は、報道陣とのやりとりの途中で興奮気味になって、「それ(バスタオルの撤去問題)とこれ(暴言問題)は別の問題です。今回は、相手の方に不適切な発言をしたことに対する処分です。(背景についての)事実確認はしていないし、LPGAが調査することはしません」と回答。協会として、今回の暴言問題に対する認識の甘さを露呈した。