Innotech Expoの「AIテーマエリア（AI Theme Area）」。

台湾の台北世界貿易センターで、10月17日から19日まで、技術展「Taiwan Innotech Expo」が開催された。 【全画像をみる】GPT-4o搭載の犬型ロボットからパリ五輪で人気のバドミントンの分析まで。台湾AI開発の今 Innotech Expoは、台湾の技術力や発明をアピールすることを主な目的としたイベント。今回、「AIと半導体」を特に重視する方針が、オープニングイベントで語られていた。 台湾におけるAI関連の研究成果は、どのようなものになっているのだろうか。「AIテーマエリア（AI Theme Area）」と名付けられたエリアについて、展示の一部を現地レポートの形で紹介する。

学生たちが開発する犬型ロボット「NTU DogBot」

AIに対応する犬型ロボットが、学生たちの手によって開発されている。台湾大学の研究チームは、「NTU DogBot」を展示。会場では機械工学科の大学院生たちがデモを実施していた。 NTU DogBotのプロトタイプには2つの大きさがあり、大型の「ダスティン（Dustin）」は全長93cm、重さ40kg。工場などでの利用が想定されている。 今回は、より小さな「オリバー（Oliver）」のデモを見学した。オリバーの全長は54cm、重さは16kgで、一般家庭での利用をイメージしているという。 オリバーは自律歩行に対応。iPhoneやiPadにも搭載されているような周囲の環境を正確に計測するLiDARセンサーや、NUC（小型コンピューター）を備える。 デモの内容は、ランプの様子をオリバーがチェックするというもので、いわゆる「見守り」機能が実演された。 オリバーはリモコン操作なしでランプの近くまで歩き、消し忘れがないかどうかをチェック。ランプが点灯している場合は、LINEで通知を受け取れる。 リアルタイムの物体認識アルゴリズムとして、オープンソースの「YOLO」を活用。また、OpenAIの「GPT-4o」により、音声認識にも対応する。 オリバーが開発されたのは2024年2月で、ダスティンが開発されたのは同年5月。将来的な実用化を視野に入れ、引き続き開発が進められるという。