大統領就任式にスペイン国王排除 メキシコ、歴史対立で
【ロサンゼルス共同】スペインが現在のメキシコを征服した歴史認識を巡る対立が両国間で起きている。謝罪要求に応じていないとしてメキシコは新大統領就任式にスペインのサンチェス首相だけを招待し、国王フェリペ6世を排除。スペインが反発し、政府当局者が10月1日の就任式を欠席する事態に発展した。 メキシコでは14世紀以降、現在のメキシコ市を中心にアステカ王国が栄えた。1521年にエルナン・コルテス率いるスペイン軍により征服され、以後約300年にわたって植民地化された。 メキシコのロペスオブラドール大統領は2019年にフェリペ6世に送った書簡で、スペインが「数え切れない罪」を犯して征服し、その後も先住民の土地を略奪するなどしたと指摘。先住民らに苦痛を与えたとの認識を公式に表明するよう求めた。 ロペスオブラドール氏の後継者として当選したシェインバウム前メキシコ市長はスペインの対応を非難し、フェリペ6世を招待しないことを決定。スペイン外務省は9月下旬に「受け入れがたい」と欠席を発表した。