「忙しすぎて本が読めない」→3分で終わる「ズルい速読術」を試してみて!
● 減らすべき「アナログな努力」とは 尾原:サイバーエージェントのように、新しいことへの挑戦が多い会社は、新しいことをゼロから考えるのがけっこう大変ですよね。 曽山:そうですね。 尾原:羊一さんのベストセラーに、『1分で話せ』があります。 『1分で話せ』では、「ロジカルシンキング」が大切だと言って、学び方をステップにして書いていますが、ロジカルシンキングは「引き出しの多さ」です。 ゼロから分解の仕方を考えるのは難しいので、大量の知識を学習しているChatGPTに「引き出し力」を借りる。そこからスタートすればいいんじゃないかと思うんですよね。 そういう観点で見た時に、減らしてもいいアナログな努力は何ですか? 曽山:人間は、脳のメモリに限界があるんですよね。記憶容量が限られているので、大量にデータがある生成AIを、「外部ハードディスク」としてちゃんと使うことが大事です。 僕は、経営者の方から人事の相談をいただくことがあるのですが、その時に出せるアイデアは、「記憶の中で思いつくこと」になってしまいます。本質的なことを思っていても、忘れている可能性があるので、そのアイデアを外部の容量にできればいいと思うんです。 伊藤:なるほど。 曽山:孫さんや藤田の知恵を使ったほうがいいので、これはすごく大事な考え方だと思っています。
● 仮想相談相手「ソヤマンGPT」の開発と活用 曽山:実はAIのチームに、「ソヤマンGPT」を作ってもらっているんです。 尾原:おもしろいですね。 曽山:例えば、グループ会社の社長から相談を受けた時に、すべての本・YouTube・記事をソヤマンGPTに食べてもらいます。まずは僕だけが入力するのですが、出てきた回答には、40点のものもあれば80点のものもあるんですよ。 僕がそれをリバイス(加筆修正)すると、ゼロから文書を作る「時間コスト」が短くなりますし、忘れていたことを引き出してくれます。この「時短」と「ハードディスク」がポイントです。その結果、満点の回答が出せるんですよね。これはすごく大きいなと思っています。 伊藤:総じて、何点くらいですか? 曽山:60点くらいです。いいところをついているので、笑っちゃう時もありますね。 伊藤:なるほど。 曽山:例えば、「マネージャー研修のプログラムを作りたいんですけど、何に注意すべきですか?」という問いがあった時に、僕が絶対に聞くのは、「何が研修の成果なのか、先に成果定義を決めてください」です。いわゆる、ドラッカー的思考ですよね。 PL(損益計算書)・BS(貸借対照表)を読めるようになるのか、事業計画を立てられるようになるのか、対話力で社員のハートをつかめるようになるのか。この3つでもぜんぜん違うので、ソヤマンGPTに、まずは「最も重要なことは成果定義です」と伝えます。 伊藤:なるほど。逆に、イケてない40点はどんなところですか? 曽山:当然ながら、僕がWebで文字に落としていないものです(笑)。 伊藤・尾原:(笑)。 曽山:答えが出るわけがないんです。でも、先ほどの尾原さんのお話で言うと、真ん中の答えを出してくれるのが生成AIのすごいところです。中身が正しいかどうかは別にして、もっともらしく言ってくれるところが素敵なんですよね。 尾原:そうですね。 曽山:例えば、経営幹部の育成について、僕はそんなに話していないわけです。別に隠しているつもりはないんですけど、表に出す機会がないんですよ。 また、リモート・フルリモートなどの働き方について、根本的な考え方や「今どう見ているのか」など、タイムリーなものになればなるほど、適当に答えます。 「ぜんぜん違うけど、もっともらしく言っているな」という回答は、点数が低いわけです。 伊藤:なるほど。