「忙しすぎて本が読めない」→3分で終わる「ズルい速読術」を試してみて!
● 「使いきれていない感覚」の正体 尾原:ChatGPTを使いきれていない感覚は、多くの人が持っています。でも、それ以上に「親しみやすさ」を感じていない人が多いんですよ。 曽山:そうですよね。 尾原:「正解のプロンプトを入力しないといけない」と言いますが、そもそもChatGPTは汎用AIなので、どんな言い方をしても、何らかの答えに近いものを生み出してくれます。だから、本当は正解のプロンプトなんてないんです。 それなのに、「失敗しちゃダメだ」という感覚を持っている人が多いので、まずは親しみやすさを感じていただきたかったんですよね。 曽山:それは大きいですよね。 伊藤:曽山さんも、「絶対に使えるよね」とわかりつつ、日常的には使わないハードルをお持ちだったんですね。 曽山:僕の場合、例えばわからない単語があったら、「とりあえずChatGPTに聞いてみよう」と思って聞いているので、日々使っているほうではありますね。 また、マネージャー向けの研修で、最先端のマネジメントのトレンドを伝える時、コンセプトメイキングをしたい時に、「こんな概念なんだけど、いい言葉はない?」と言って、言葉の案を作る「壁打ち」として使っているんですよ。 でも、「X(旧Twitter)」を開くかのようには活用していないなと感じていたので、もっと使える余地があることは、感覚的にわかっていたんです。 伊藤:なるほど。多くの人がそうなんだろうね。 尾原:僕たちは、「インターネット=検索」のようなイメージを持っています。「何かの説明をしてください」「回答をください」という使い方だと思い込んでいるところがあるんですよね。 曽山:そうなんですよね。
● ChatGPTは「ベクトル化エンジン」 尾原:次に、アイデア出しをする「連想マシン」としての使い方です。「本の要約からのアドバイスは、曽山さんに絶対フィットするだろうな」と思いました。 ChatGPTなど、LLM(大規模言語モデル)の大きな機能は、言語化エンジンであると同時にベクトル化(数値化)エンジンなんですよ。 曽山:ベクトル化エンジン。 尾原:つまり本を要約する中で、著者の成長ベクトルや価値観ベクトルをまとめてくれる力がめちゃくちゃ強いんです。 曽山:間違いないですね。 伊藤:著書がある人は、その内容がベクトル化のベースになっていきます。でも、ChatGPTにはメモリ機能があるから、「この人はこんなことを考えている」「ここを大事にしている」と、記憶していってくれるじゃないですか。 だから、著書の有無にかかわらず、付き合えば付き合うほどベクトル化のプラスになっていくという理解でいいですよね。 尾原:そうですね。ChatGPTは時々ウソをつきますが、基本的には生成エンジンなので、トレーニングされたデータや入力の中で、「真ん中の答え」を紡いでいってくれるんです。 例えば、孫さんの本や思想を入れると、「この人はこういう人だよ」と言って、真ん中のベクトルを出してくれます。 曽山:修練したものの中から、「これですよ」と。 尾原:そうです。また、メモリ機能があって、「あなたの入力傾向はこうですね」と言って、蓄積していってくれるんです。 曽山:なるほど。 尾原:ChatGPTは、成長ベクトルが自然と溜まっていくエンジンになってきています。それが意外と知られていなくて、使いきれていない部分なので、もったいないなと思ったんですよね。