ラグビーW杯3連覇に死角なし?! NZがV候補の南アを23-13で撃破し予選プール無敗記録守る
ラグビーワールドカップで3連覇を狙うニュージーランド代表が21日、神奈川・横浜国際競技場で、同じく優勝候補に挙げられている南アフリカ代表と対戦、予選プール屈指の好カードを23―13のスコアで制した。オールブラックスは前大会の準決勝で南アフリカ代表を20-18の接戦で下しているが、持ち前の対応力で、今度は寄せ付けず、3連覇へ向け死角のない強さをアピールした。 公式発表で「63649人」もの超満員のファンで埋まったスタンドはウェーブを繰り返すなどして狂喜乱舞していた。ニュージーランド代表は「カパオパンゴ」という大一番でだけ使うとされる儀式「ハカ」を披露。80分間を通じて対応力で圧倒した。 まず攻め方。序盤は南アフリカ代表の鋭く前に出る防御に苦しんだが、前半20分以降は自陣で大外のスペースへボールを運ぶように意識していた。 3-3の同点で迎えた前半23分、自陣中盤左中間で球を受けたスタンドオフのリッチー・モウンガが右方向真横へのキックパスを放った。タッチライン際でボールを受け取ったウイングのセヴ・リースは、目の前の防御をさらりとかわして持ち前の加速力で前進。その左側へサポートについたスクラムハーフのアーロン・スミス、フランカーのアーディ・サヴェアも大きく前に出て、敵陣22メートルライン付近を右中間へ進む。 ここからは、オールブラックスのお家芸である即興的な攻撃が炸裂した。“黒衣の集団”は、瞬時の情報共有によって組織的にスペースを攻略。南アフリカ代表の防御の人数が揃わぬうちに、もともとスタンドオフながらフルバックに入るボーデン・バレットがラインブレイク。ジョージ・ブリッジのトライを促し、ゴール成功で10-3と勝ち越した。 飛び出してくる南アフリカ代表の外側のスペースを突くようになったニュージーランド代表は、続く26分にもグラウンド中盤で左端へ球を運ぶ。アウトサイドセンターのアントン・レイナートブラウンが中央へ切れ込むような走りを決めれば、やはりサポートについた選手たちがどんどん球をもらう。ロックのスコット・バレットのトライなどで、17―3と前半の流れを決した。抜け出した選手への援護をさぼらないのもまた、ニュージーランド代表の強さの源だ。 「南アフリカ代表のディフェンスは、試合を通して本当に強かったです。ただ、それは最初からわかっていたことでした。特に序盤は、もっと深く(防御と間合いを取って)ボールをもらうということ(を意識)。前半はそれができずに(相手の圧力に)やられていましたが、途中から自分たちのすべきことがわかって、アタックの仕方を変えました」 こう語るのは、勝ったナンバーエイトのキアラン・リード主将。両軍は毎年、ラグビーチャンピオンシップという対抗戦でぶつかっているため互いの特徴を知り合っている。パワフルな南アフリカ代表の得意技に首尾よく対処できた瞬間から、ニュージーランド代表は一気にスコアできたようだ。