イーロン・マスクら経営者の”熱狂”は世界を滅ぼすかもしれない…テスラやアップルと「ブラック企業」の共通点
悪の組織が世界征服できない理由
子供の頃から、不思議でした。なぜ物語の中で、悪の組織は正義の味方に負けるのだろうか。どう見てもスターウォーズの反乱軍には政治思想を感じないし、碇ゲンドウの人類補完計画を明確に否定するロジックを、碇シンジは持っていないように思えました。物量や戦闘力、テクノロジーだって、悪の組織の方が随分上回っている。 そこから何十年も経ち、子供の頃の素朴な疑問と、大人の世界の残酷な現実がクロスオーバーしてきた気がしています。私も大人に(というかおじさんに)なり、そこに答えを見出したいと思いました。それが「悪の組織は人材マネジメントが手薄すぎる」という課題に着目したのが本作です。 悪の組織には理想も資本もあるのに、部下をゴミのように扱い大切にしないし、頻繁に世界を征服すると標榜するものの、征服した後にどんな未来が待っているかを世の中に対して発信しない。これが悪の組織が負ける大きな要因なのではないか。であれば悪の組織のマネジメントを改革すれば、きっと良い組織になって、世界を征服…いや世界を改善してくれるはず。『ブラックカラー』はそんな思考実験のつもりで描き始めました。 「Don’t be evil(邪悪になるな)」。 かつてGoogleの行動規範で、現在はなぜか序文からは削除されてしまったこの言葉で、この記事を締めたいと思います。『ブラックカラー』ぜひ興味を持っていただいた方がいましたら、手に取っていただけたら嬉しいです。ここまで読んでいただき、有難うございました。
モーニング編集部