イーロン・マスクら経営者の”熱狂”は世界を滅ぼすかもしれない…テスラやアップルと「ブラック企業」の共通点
悪の組織の過酷な労働環境を改革して、ヒーローに戦いを挑む漫画『ブラックカラー 悪の組織をマネジメント』(モーニングKC)第1巻が10月22日に発売になりました。ネーム原作を担当する原理(はらおさむ)さんは本作が連載デビュー作。原理さんは人材系の企業で会社員として働く傍ら、ちばてつや賞に応募。入賞を機に漫画家としての活動を始めました。本記事では人材系企業で働く原理さんがなぜ『ブラックカラー』という漫画を描くに至ったか、そのきっかけや着想について語っていただきました。 【マンガ】悪の組織のブラックな環境を描く『ブラックカラー』
悪の組織あるある。人材マネジメントを軽視しがち
『ブラックカラー』の着想は3年ほど前に遡ります。アポイントの帰り道、『鬼滅の刃』を読んでいると、あるワンシーンに心を奪われたのです。鬼滅隊の長である産屋敷と、鬼の親分こと鬼舞辻が初対面するシーン。ここで産屋敷はこう語ります。「永遠というのは人の想いだ、人の想いこそが永遠であり、不滅なんだよ」と。 私はここで嗚咽。やべえ鬼滅隊超ティール組織(※)じゃん、産屋敷マネジメントうますぎやでと…。そして気付くと私は一心不乱に以下のような比較表を作っていました(マジです)。 鬼滅隊は優れた想い(パーパス)が根付いていました。だから、産屋敷亡きあとも鬼滅隊は瓦解せず(むしろ強固になり)鬼の組織は倒されたのだと。そう、鬼舞辻無惨は人材マネジメントが下手だから、鬼滅隊に負けたのです。というかどの悪の組織もそうです。仮面ライダーも、ファーストオーダーも、サノスも、人材を軽視しておりマネジメントが弱すぎる。手垢のついた言葉でいえば、物語の悪の組織はブラック企業だから、負けるのだという仮説。これが『ブラックカラー』という漫画を描く出発点になりました。 ※ティール組織 マッキンゼーでずっと組織改革を行っていたフレデリックさんという方が提唱した“超いい組織”のことです。彼によると定義は「リーダーがいなくても、最適な意思決定を行える組織のこと」でした。私は鬼滅隊が、産屋敷という絶対的リーダー不在の状態で、柱も隊員も関係なく。「鬼のいない世界」を目指したこと。無惨との戦闘の中で、最適な意思決定を続けていく姿に落涙しました。