冷やしキュウリはO157、お好み焼きはセレウス菌!夏祭りに潜む“食中毒の罠”を専門家が解説
「鶏のからあげ」や「たこ焼き」も要注意!
――夏祭りで、冷やしキュウリのほかに気をつけるべき食品はありますか? いっぱりありますよ。たとえば鶏の唐揚げ。唐揚げブームが続いていますが、鶏の腸管内に生息するカンピロバクターという細菌に注意です。焼き鳥も同じです。カンピロバクターは発生件数が多い食中毒で、主な原因は加熱不足。店が忙しいあまり、火入れがあまくなっていないか確認してください。 実は去年の夏に、流しそうめんに使われていた井戸水からもカンピロバクターが発見され、100人近くが食中毒を起こしています。鶏や家畜から排出された菌が湧き水に流れこんだことが考えられますが、加熱していない生水を口にする際も注意しましょう。 ――怖いですね……。
たこ焼きや焼きそば、お好み焼きといった夏祭りの定番になっている「粉もの」にも食中毒の危険性は潜んでいます。粉ものは、一度にたくさん調理してパックに分けて売るケースが多いですよね。長時間パックに入ったまま常温で置かれると、でんぷんを好むセレウス菌という菌が増殖する可能性があります。 なるべく熱いうちに食べること。持ち帰る場合は、すばやく冷蔵し、中心温度が75℃以上になるよう、十分に加熱して食べてください。 また、長期冷蔵も避けましょう。特に夏は冷蔵庫の開閉が多くなり、庫内の温度も高い状態になりがち。冷蔵庫の過信は禁物です。
子どもたちに安全な店、どう選ぶ?
――危険がいろいろあって、夏祭りに行くのが怖くなりそうです……。 あれはダメこれはダメというのではなく、注意すべきは衛生管理、温度管理を徹底している店を選ぶことです。 手洗いや食材の洗浄、調理器具をどれだけ清潔にしているかは消費者にはわかりませんが、手をきちんと消毒していたり、マスクや手袋、帽子をしていれば、かなり衛生管理ができていると思われます。 ――衛生的かどうかを最低限、目視で確認するということですね。 そうです。あとは食材に火をちゃんと通してるか、逆にちゃんと冷却しているか、調理した食品を長時間放置していないか、子供たちにはわからないこうしたポイントをしっかり見てあげてください。冷やしキュウリを生ぬるい状態で保存してるのは絶対ダメですよ。 それから、子どもたちの手にも菌がたくさん付いているはずです。手洗いを厳守し、素手で食べないように注意してあげてください。
◇ どんな危険が潜んでいるかがわかれば、対策も取りやすい。衛生管理、温度管理に注意している屋台を選び、買ったものは熱いうちに食べる!まずはこれを徹底しよう。 ぎぎまき=取材・文
OCEANS編集部