長崎県知事の政治資金問題、選挙コンサル「指示した事実・権限は一切ない」…資金移動など関与否定
長崎県の大石知事の政治資金問題を巡り、選挙コンサルティング会社社長の男性は9日、報道機関向けに文書を発表し、資金移動などについて「私が指示した事実、指示できる権限は一切ない」と関与を否定した。男性が一連の疑惑について正式に釈明するのは初めて。 【写真】長崎県庁
男性は2022年の知事選で大石知事の陣営の業務に携わった。政治資金問題の真相解明を目的として9、10月に行われた県議会総務委員会の集中審査に、参考人として出席を求められたが、欠席していた。
知事選の際に自民党支部などを経由し、知事の後援会に渡った286万円が「迂回寄付」と指摘された件に関して、男性は「陣営関係者から相談はあったが、私が指示した事実はない」と主張。支部の会計責任者や関係する県議は資金移動を「選挙コンサルから指示された」と説明しており、食い違う形となった。
知事が後援会に貸し付けたと政治資金収支報告書に記載した2000万円が二重計上となり、この誤った処理に基づいて返済金を得ていた問題も「指示できる権限はなく、知事の答弁の通り、報告書の誤記だったと認識している」とした。
また、男性は文書で、後援会の元監査人がブログに虚偽の文章を掲載したとして、名誉毀損容疑などの告訴状を6日付で県警に提出したと明らかにした。9月中旬以降、「大石(知事)は県幹部から受ける重要政策のレクチャーに選挙コンサルを同席させていた」などと掲載し、不特定多数に閲覧させたとしている。
男性は読売新聞の取材に「お金を集めて動かしたり、選挙を仕切ったりする立場にはなかった。ブログも度が過ぎている」と話した。
ブログを巡っては、大石知事も10月、元監査人に対する名誉毀損容疑の告訴状を長崎地検に提出している。
一方、元監査人は政治資金規正法違反(虚偽記入)容疑などで知事や男性らを告発しており、今回の告訴を受けて、「事実と証拠に基づき(ブログで)公表した。捜査機関から問い合わせがあれば協力する」とのコメントを出した。