群雄割拠のエコカーエンジン「電気編」 EV、PHV、燃料電池車は何が強みなのか?
エコカーと言われて最初にイメージするのはどの動力源だろう。ハイブリッド、小排気量ターボ、ディーゼル、EVなどなど、まさに群雄割拠で、それぞれが「ウチのが一番」と主張する。そうした自動車の推進システムは、2014年現在、どんな状況にあるのだろうか? 自動車の動力源の代表的な7つの比較を考えてみたい。 【動画】家庭用コンセントで充電 プラグイン・ハイブリッド車とは?
それぞれのエンジンの長所と短所は
まずはエコカー開発の背景を概略的に触れておこう。わが国が批准した京都議定書では、日本は1990年のCO2排出量ベースでマイナス6%を目標にしていたが、震災の影響などもあり、現状では削減目標を達成できていないどころか増加している。世界に約束した目標に少しでも近づけるためには、自動車の排気ガスに含まれるCO2をなんとしても減らさなくてはならない。このCO2削減についての詳細は先週の記事でまとめてある。 結果的に、自動車メーカーは国の指導の下、否応なくCO2排出量の少ないクルマを作らざるを得ない環境下にあるのだ。そういう待ったなしの状況に鑑みて、今求められているのはCO2排出量削減とユーザーの利便性をどうバランスさせるか。いくらCO2排出を抑えると言っても、ユーザーにとって不便で魅力のないものになれば自動車産業全体が衰退してしまうからだ。 そのために技術の限りを尽くして開発されている7つの動力源のうち、3つは電力を動力源とするものだ。これらは「走行中のCO2排出がゼロ」と環境にとってはまさに理想的。ユーザーにとっても、インフラ電力から充電するものは、残る4つの石油燃料を使うものとは比べ物にならないほど動力コストが安いことが魅力だ。一方、デメリットの方を見れば、車両価格が高く、出先での充電は給油の様に手軽にできない。 今回は、その電気自動車(EV)の仲間を個別にみて見ていく。3つある動力源で分類すれば、純粋にバッテリーとモーターだけで走るEV。水素の化学反応を利用して発電しながらモーターで走る燃料電池車(FCV)。バッテリー+モーターとエンジンを切り替えて走れるプラグイン・ハイブリッド(PHV)だ。このEVの仲間は基本的には給油しない。つまり石油系燃料を前提にしないものだ。7つのうち残る4つの石油動力編は次週お届けする予定だ。