ケアや“ご自愛”的な視点ではなく「見ろー!」って気持ちで書く。くどうれいん流、自分のための日記の書き方
日記を書くのは朝がいい
――一日の中で日記を書くタイミングは決めていますか? この連載を続けていた時期は、朝、仕事を始める前に書いていました。 ――一晩寝かせるんですね。 寝る前に書いちゃうと、どんな眠りだったか書けないから。その日が完全に終わってから振り返らないと、文章に手を入れることが増えてしまう。翌日の朝がちょうどいいタイミングでしたね。 9時から始業するって決めているので、その前にお化粧をして、8時半から30分くらいかけて書くのがルーティンでした。なんか調子出ない日や機嫌が悪い日ってすっぴんなことが多くって。なので、最低でも眉毛だけは描くようにしています。疲れていて、かつすっぴんのときに鏡を見ると余計にまいっちゃう時ありませんか? いつ落ち込んでもいいようにお化粧をしている感覚です。 また、9時に仕事を始めると決めておくと、9時から動いてこれしかできないんだから、もっと遅れてたらもっと大変だったと思えるので心が楽になるんです。
今は書けないから未来の自分に託す
――「オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム」など、日にちを特定できるキーワードはたまに出てきますが、時事的なワードが出てくる回数は少ないように感じました。 個人的な時事ネタは書いているつもりです。書かない=興味がないというわけではない。日記って未来の自分に読ませるために書いているところもあるので、ゴシップなどについては書きませんが、好きなお店が閉店してしまうとか個人的な大ニュースは書き残しています。なので時事が入っていないと言われるのは意外ですね。自分の暮らしている街のことは書いているので、学級新聞に似ているところもあるかもしれません。 ――「この日のことを何度も思い返すだろう」という文章が何度も出てきます。この文章を書くときの心の動きを知りたいです。 物事が発生したときにはもう「このことは日記に書こう」とは決めていて、でもちょっと頭の中で整理したいときにこの表現を使っている気がします。自分の中で消化しきれていなかったり、抱えきれていなかったりはするけれど、とにかく日記には書くぞという気持ち。さっきの話とも繋がりますが、書いてないのは何もなかったからではなくて、この段階ではまだ書けないという宣言みたいなもの。未来のわたしが書けるような状態であればお願いしますという感覚です。未来の自分に託しているのかもしれません。 ――そうだったんですね。書くと特定されちゃうとか、書いてたまるかっていう気持ちのあらわれかと思ってました。「今は書けないから未来の自分に託す」という意味だったとは。