孫が帰省するたびに「3万円」小遣いをあげています。娘夫婦は「あげすぎでしょう」と言いますが、孫のためにお金を使う高齢者は多いのでは…?
金銭的支援におけるトラブルを防ぐためのポイント
前述したようなトラブルを防ぐためには、祖父母・親・孫の間で透明性のあるコミュニケーションが重要と考えられます。 金銭的支援を行う際には、支援するお金の目的を明確に伝えましょう。例えば、「進学のための費用」と伝えれば、孫もそのお金をどう使うべきか理解しやすくなります。 また、親を通して金銭をやり取りすることで、親が管理しやすくなり、無駄遣いやトラブルを防ぐことができるかもしれません。直接渡す場合も、事前に親に相談しておくことが重要です。 支援額が大きすぎると、孫の金銭感覚がマヒする恐れがある点にも注意が必要です。適度な金額に設定することで、孫は「感謝」を感じながらお金を使え、祖父母からの支援が価値あるものになるでしょう。
トラブルが発生した際の円満な解決方法
万が一トラブルが発生した場合には、冷静に話し合い、互いの意見を尊重する姿勢が必要です。 家族間でトラブルが発生するとつい感情的になり、相手を非難してしまいがちですが、それでは問題は解決できません。冷静に事実を確認し、何が問題だったのかを共有することが大切です。 また、同じようなトラブルを繰り返さないためにも、支援金の使い道や金額、受け渡しの方法などについて明確なルールを設定することをおすすめします。例えば、「進学関連の支援金は親を通して管理する」「趣味や娯楽のための金額は毎月一定額にする」といった、具体的な取り決めをするのがよいでしょう。
円満な金銭的支援を実現するためには家族間の日常的なコミュニケーションが不可欠
内閣府の調査によれば、高齢者の過去1年間の大きな支出項目として「子や孫のための支出(学費含む)」と回答した割合は18.6%となっています。この割合は食費や光熱水道費、保健・医療費など生活に関わる支出に次いで多いため、今回の事例のように、孫のためにお金を使う高齢者は一定数いることが分かります。 金銭的支援を円満に行うためには、日常的なコミュニケーションの質を高めることが大切です。「どう使ってほしいか」「何に優先して使いたいか」を互いに伝え合うことで、すれ違いを防ぐことにつながるでしょう。 出典 内閣府 令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果 第2章 調査結果の概要 3.経済的な暮らし向きに関する事項 (6)過去1年間の大きな支出項目(Q10)(54ページ) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部