孫が帰省するたびに「3万円」小遣いをあげています。娘夫婦は「あげすぎでしょう」と言いますが、孫のためにお金を使う高齢者は多いのでは…?
この記事では、祖父母が孫に金銭的支援を行うことについて考察します。金銭的支援の適切な金額をはじめ、家族間における金銭感覚の違いから生じる問題や、それを円満に解決するためのコミュニケーション方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
孫のためにお金を使う高齢者は多い? 祖父母から孫への金銭的支援の適切な金額とは?
祖父母が孫へ金銭的支援を行う目的には、教育費の補助、進学や就職のお祝い、普段のお小遣いなどがあります。金額は家庭の経済状況や地域差にもよりますが、日本では一般的に適度な範囲で行われるケースが多いでしょう。 内閣府の「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」によると、過去1年間の大きな支出の項目として、「子や孫のための支出(学費含む)」と回答した割合が18.6%となっています。この結果は、食費や光熱水道費、保健・医療、交通費など生活に関わる支出に次いで多いのが特徴です。 適切な金額とは、祖父母の生活費を圧迫しない範囲であることが基本です。無理な支援は祖父母自身の老後資金をひっ迫させ、後になってからトラブルにつながる可能性も考えられます。金額を決める際には、子どもとの相談を通じて、互いに納得できる範囲で調整することが重要です。
世代間の金銭感覚の違いと起こりうるトラブル
一般的に、祖父母世代は「節約」を基本とする価値観が強い一方で、孫世代はデジタル化やキャッシュレス決済の普及により「利便性や即時性」を重視するのが現代の特徴でしょう。そのため、祖父母が現金を渡した際に、孫のお金の使い道によっては不満を感じる場合があるかもしれません。 例えば、祖父母が教育費のつもりで渡したお金を、孫が趣味や娯楽に使っていた場合、祖父母は「無駄遣い」と感じてしまうかもしれません。一方で、孫は「自分のお金」と考え、祖父母の指摘を不快に感じてしまうこともあるでしょう。このようなすれ違いが、信頼関係の悪化につながることも少なくありません。 また、親世代を介さずに金銭を直接渡す場合、親がその事実を知らずに不満を抱くケースもあります。トラブルにならないようにするため、金銭感覚の違いを理解し合うとともに、事前に互いの意図を明確に伝えることが重要です。