「龍谷の名を全国に」 県高校サッカー初優勝 創部21年目の栄冠
●中学から切磋琢磨のDFコンビ 村西、海老が得点 創部21年目の龍谷富山サッカー部が9日の全国高校サッカー選手権富山県大会決勝に勝ち、全国大会への切符をもぎとった。20年前の創部当初11人を集めるのがやっとだった龍谷富山は今大会、強豪校を次々と撃破した。決勝では、中学時代からライバルの2年生のDFコンビが得点を挙げ、伝統の壁を打ち破った。 【写真】試合を終え、笑顔を見せる龍谷富山の選手 創部から指揮を執る濱辺哲監督は、J3・カターレ富山の前身のアローズ北陸でGKを務めた。「全国大会出場まで、正直なところ長くかかった。伝統の重みは簡単には崩せないと実感した20年間だったが、ようやくチャンスが来た」と感無量の様子だった。 準決勝で富山一を破る大金星を挙げ、チームの結束は一層強まった。主将の横山旺世選手(3年)は「歴史を変えたい思いがずっとあった。今、もうこれ以上ない良い景色を見ている」と喜びを語った。 横山主将は富山一戦からチームの熱量や練習に取り組む姿勢も変わったとし、「チームを全国でも通用するレベルまで持っていき、県代表として恥のないプレーをする」と意気込んだ。 試合は前半13分、DF村西琉斗選手(2年)は相手GKのこぼれ球を見逃さず、振り向きざまに左足で流し込んだ。 こぼれ球のシーンを想定しながら練習を積んできた村西選手は「本当に(ボールが)落ちてきて、決めるだけだった。自分が先制するとは思わず、びっくりした」と振り返った。 DF海老椋太選手(2年)も、フリーキックを得意のヘディングで合わせると、ボールはゴールポストに当たり、ネットへ吸い込まれた。大会初ゴールを決めた海老選手は「体が勝手に動いた。楽しかった」と晴れやかな表情を浮かべた。 村西と海老の両選手は中学時代、クラブチーム「STG.FC」(高岡市)でともにプレーし、ポジションが近く、切磋琢磨(せっさたくま)してきた。 村西選手は海老選手のことを「信頼できる仲間。カバーしてもらう場面もあり感謝です。DFとして無失点で抑えられたのが勝ちにつながった」と話した。 海老選手は「村西が決めて、悔しくて、決めてやるぞと思った。全国では1勝でも多く勝ち、龍谷の名を広めたい」と力を込めた。