【速報】無罪の元社長「これだけ時間かかると思わなかった」法廷で訴え 検事の“違法捜査”訴えた訴訟 最高裁が開示認めた18時間の取り調べ映像は次回採用へ
巨額の横領事件で大阪地検特捜部に逮捕・起訴され刑事裁判で無罪となった不動産会社元社長が検察の違法捜査を訴えている民事裁判の弁論が29日に開かれ、元社長が法廷で「裁判を起こしてから2年半、これだけの長い時間がかかると思わなかった。改めて公平かつ厳正な判断をお願いいたします」と訴えました。 次回の弁論は12月20日に開かれ、最高裁が開示を命じた約18時間分の取り調べの映像データが証拠として採用される見通しで、山岸さん側は映像の一部を法廷でも再生するよう求めるとしています。
■検事が机たたき「あなたは大罪人」…最高裁が開示命じる
プレサンスコーポレーションの元社長、山岸忍さん(61)は、21億円の横領事件で大阪地検特捜部に逮捕・起訴された後、山岸さんの元部下が田渕大輔検事(52)に「あなたは大罪人だ」などと迫られて供述が取られていたことが分かり、刑事裁判で無罪が確定しました。 山岸さん側は「検察の違法な捜査が冤罪を生んだ」などと訴え、民事裁判で国に賠償を求めています。また裁判の中で、山岸さん側は田渕検事による取り調べの映像データを開示するよう申し立て、大阪地裁は去年9月、約18時間分のデータの開示を国側に命じる決定を出しました。 しかし、国側が即時抗告をした結果、大阪高裁は今年1月、「元部下の名誉やプライバシーを侵害する恐れがある」などとして、提出を命じるデータの対象をおよそ50分間に短縮することを決定。対象は刑事裁判で提出された部分に限られ、前後で検事が机を叩いたり恫喝したりした部分などについては取り除かれました。 これに対し、山岸さんが不服を申し立てていたところ、最高裁は10月16日、「言動が正確に記録された開示されていない映像部分も必要性の程度は高い」として高裁の決定を取り消し、地裁が命じた約18時間分のデータの開示決定を認めていました。
■法廷で訴え「最も重要な証拠を調べるのにこんなに時間がかかるとは…」
29日の弁論では、山岸さんが意見陳述を行い、「裁判を起こしてから2年半、国が『見る必要がない』と隠そうとし続けた最も重要な証拠である取り調べの映像を調べるのに、これだけの長い時間がかかると思わなかった。申し立てをするのに、見るのもうんざりするほどの大量の書類を作成し、信じられないほど不毛だ。裁判長、裁判官には、改めて公平かつ厳正な判断をお願いいたします」と法廷で訴えました。