「七十二候」をテーマに据え心地よい五感への刺激と没入感あるダイニング体験を叶える特別なひととき【ザ・リッツ・カールトン京都】
京都の鴨川の畔、東山三十六峰を一望する抜群のロケーションに建つ「ザ・リッツ・カールトン京都」。ラグジュアリーアーバンリゾートとして“京都のためにつくられたホテル”は2024年に開業10周年を迎え、同年10月には「シェフズ・テーブル by Katsuhito Inoue」をリニューアルオープン。京都の「七十二候」をテーマに新たな設えで表現する新時代の料理は、五感をフルに刺激してくれる総合芸術といえるでしょう。 【画像】丹波の黒豆納豆に、ベルガモットをきかせた自家製の味噌を加えたペーストは大原のエディブルフラワーで彩り、焦がし野菜を練り込んだフォカッチャとともに供される。
◆米を再評価し、米を中心とした料理へのアプローチ
「シェフズ・テーブル by Katsuhito Inoue」の指揮を執るのはヘッドシェフの井上勝人さん。京都の豊かな食の伝統に敬意を表し、生産者のもとへ足を運んで見極めた確かな食材を、1年を72に分けた季節を表す「七十二候」のリズムに即した料理へと昇華させ、移りゆく季節の恵みを反映したメニューを日々考案し続けています。 東京・イタリア・スペインなどの名立たるレストランで腕を磨いてきた井上シェフが、今回のリニューアルで注目したのは「水」と「米」。水は京都の地下水をシェフ自らが毎朝汲み、米は伏見で育てられている「いのちの壱」をセレクト。コシヒカリの約1.5倍にもなる大粒の米は、甘くて香りも高く、粘りも弾力もあるのが特徴です。 「いのちの壱」は日本に900も存在する米の銘柄の中からシェフ自らが厳選。水はもちろんのこと炊き方にもこだわったうえで、日本料理の伝統的な味わいと、世界最先端の技術を融合させて、米本来がもつ多様な味わいを表現しています。 日本が誇る食材、米を中心とした料理への革新的なアプローチは、伝統を重んじながら現代的な美食を追求する姿勢にも通じます。 食材を無駄なく使いきるために創意工夫をこらし、調理の際に出る野菜の皮や種、茎の部分を乾燥させて、炒って粉にしたものをパン生地に加えて焼き上げる。これは京都に根付く「始末の心」や「食の循環」、「持続可能性」といった料理の考え方に繋がり、毎回加える乾燥野菜が変わることからも、オリジナリティ溢れる一品がうまれます。