【2025年度大学入試】最新動向と推薦入試(年内入試)のポイントは?
【■新設教科の「情報」は「プログラミング」が得点の分かれ目に?】 「情報」は2025年度から共通テストに新設される教科です。 多くの高校では、1年生のうちに「情報Ⅰ」の授業が終わっており、共通テスト対策として演習を行うのは3年生から、というケースがめだちます。 ベネッセが2024年9月に、高校の先生方約130名に向けて実施したアンケート*では、多くの先生から「演習時間の不足」の声が上がりました。 *2024年9月17日、18日開催 WEBセミナー「新課程 共通テスト」の受験戦略を考える 情報ご担当先生の事前アンケート 「情報Ⅰ」の各分野の中でも、課題視されているのが「プログラミング」の分野です。 「共通テスト模試」の結果を高校2年の2月から高校3年の9月にかけて時系列で比較すると、「プログラミング」の大問はそれ以外の大問に比べて、平均点が伸び悩んでいました。 ただし、受験者の学力層別に見ると、偏差値帯別にしっかりと差がついている結果となりました。 これは、問題文で提示された処理の流れをプログラムとして表現するための思考力が身に付いているかどうかが、得点の分かれ目になったと考えられます。 ただ、お子さまが情報に苦手意識を持っているようでも、不安視しすぎる必要はないと思います。 各大学が発表した共通テスト全体における「情報Ⅰ」の配点を見ると、配点比率が10%未満の大学が73%と多くの割合を占めています。 そこで、まずはお子さまの志望大・学部における情報の配点比率を確認しましょう。 そのうえで、情報を含めてどの教科にどれぐらい力を入れて対策するべきかのバランスを決めていくとよさそうです。
年内入試は国公立大・私立大問わず引き続き拡大傾向
近年の大学入試で潮流といえるのが、推薦入試(学校推薦型選抜・総合型選抜)による入学者の増加です。 特に2022年度入試以降は、全大学入学者のうち推薦入試による入学者は5割を超え、一般選抜による入学者を上回っています。 推薦入試は、年内でほぼ合否が決まることから「年内入試」と呼ばれることも多くあります。 ここからは、国公立大・私立大別に、年内入試の動向をご紹介します。 【■国公立大】 現状では、国公立大における年内入試入学者は入学者全体のうち21.4%で、まだ多いとはいえません。 ただし東北地方や中国・四国地方では、年内入試の募集人員比率が募集人員全体の3割程度と高めです。 さらに難関国立大でも、年内入試の募集割合が拡大傾向にあり、国公立大でも年内入試の入学者は今後増えていくと考えられます。 【■私立大】 私立大では、2023年度の年内入試入学者は59.7%で、入学者全体の約6割にあたります。 難関私立大では一般選抜の募集割合が高いものの、近年は難関私立大と私立高校の連携による学校推薦型選抜(内部進学)入学者も増えています。 大学の難易度にかかわらず、今後も年内入試は拡大傾向が予想されます。