犬の気持ちを理解するカギは「人間の声」なのかもしれない
犬の気持ちは状況によって変わる
そもそも、犬はどのように気持ちを表現しているのでしょうか? 犬の置かれている状況によって鳴き声はちがってくる、と研究者は推察していました。そこで、研究者たちはメキシコのテピク市とプエブラ市をマイク片手にかけずり回り、実際に犬が飼われているお宅にお邪魔してさまざまな状況下での犬の鳴き声を録音したそうです。 今回の研究に使われた犬の音声データは14種類に分けられ、 ・知らない人に対する威嚇・飼い主が襲われたときの鳴き声・知らない人への否定的な唸り・遊んでいる最中の鳴き声・飼い主が帰宅したときの鳴き声 などを含んでいました。 もちろん生身の犬たちはたった14種類よりもはるかに複雑な感情パターンを持ち合わせているでしょうし、それを表現する方法もそれぞれちがうでしょう。それでも今回の研究は犬、そしてその他の動物の「言葉」を理解できるAIモデルをつくる上でのひとつの出発点となりそうです。 動物の鳴き声を判別するためのAIモデルに、人間の音声データが訓練用に使われたのは今回が初めてです。 「今回の研究では、人間の音声データで訓練された音声認識モデルを使うことにより、これまで積み上げられてきた人間の音声認識に関する知見を犬の鳴き声をもっとよく理解するためにも活用できる可能性が見えてきました」 ミハルセアさんはこのように説明しています。 今後はさらに多くの犬種、そして犬以外の動物をも対象に、いろいろな感情を探っていきたいとも話しています。 Source: arXiv (1), University of MichiganReference: arXiv (2), J-GLOBALPhoto: 山田ちとら
山田ちとら