じつは「ウォーキングだけ」では効果が無かった…!ついに分かった「たった3秒」だけで筋力がアップする「スゴイ方法」
運動しなければ、とは分かっていながらも、ついつい「時間がない」「キツいのはイヤ」「どうせ続かない」と後回しになってしまう……。 【図でわかる】たった3秒、スキマ時間でもできるスゴい筋トレ そんな人たちのために、どこまで運動のハードルを下げられるか。研究に研究を重ね、ついに科学的効果が実証された運動が西九州大学の中村雅俊先生が実証した『たった3秒筋トレ』だ。 その運動の3秒で効く理由と、3秒筋トレの具体的なメソッドを、に引き続きお伝えする。
なぜ3秒で効くのか?
たった3秒で効かせる「3秒筋トレ」のコツは、とにかく3秒かけて「ゆっくり下ろす」こと。「ゆっくり下ろす」ほうが筋力はアップしやすいからです。 筋トレには、大きく2つのプロセスがあります。 たとえば、「3秒筋トレ」の基本種目である「椅子座り」なら、(1)座面にお尻を下ろす→(2)立ち上がるという2つです。専門的には、この2つのプロセスは次のように整理されています。 1)座面にお尻を下ろす=エキセントリック運動(筋肉が伸ばされながら力を発揮する運動) 2)立ち上がる=コンセントリック運動(筋肉が縮みながら力を発揮する運動) 筋トレのハードルを下げるため、私は2つのプロセスを1つ省略し、1つだけにできないかと考えました。エキセントリック運動だけ、あるいはコンセントリック運動だけで、筋力アップできないかを検証してみたのです。 調べてみると、エキセントリック運動のほうが、コンセントリック運動より、筋力がアップしやすいというエビデンスが見つかりました。 さらに、エキセントリック運動のほうがコンセントリック運動よりも、骨密度が高まり、血圧(収縮期血圧、上の血圧)、血糖値(平均血糖値、糖負荷試験)、 脂質異常症(中性脂肪、悪玉コレステロール)に関する数値も改善していることがわかりました。エキセントリック運動の効果は、筋力アップのみに留まらないのです。
「ゆっくり下ろす」で筋力アップ
なぜエキセントリック運動のほうが、筋力アップしやすいのでしょうか。 理由は、働く筋線維の性質の違いにあります。 筋肉は無数の筋線維を束ねたもの。その筋線維には速筋線維と遅筋線維という2つのタイプがあります。速筋線維はパワーがあり、瞬発的に働くのが得意。遅筋線維はパワーに乏しい反面、スタミナがあって粘り強く長く働くのが得意です。 エキセントリック運動で優先的に使われるのは、よりパワフルな速筋線維。ですから、エキセントリック運動のほうが筋力はアップしやすいのです。 そして、速筋線維は大きくなりやすい(筋肥大しやすい)という特徴があるため、エキセントリック運動を続けているとやがて筋肉全体が大きく太くなります。 「3秒筋トレ」が「ゆっくり下ろす」ことを重視するのは、エキセントリック運動をゆっくりじっくり丁寧に行うため。すると速筋線維が効果的に刺激できるため、高齢者でも筋力アップが望めるのです。 速筋線維はパワフルで力持ちですから、速筋線維を優先的に使うエキセントリック運動は疲れにくいという特徴があります。 「3秒筋トレ」が疲れにくいのも、エキセントリック運動がメインだから。疲れにくいから、ラクに誰でも続けやすいのです。