三笘薫も「質が素晴らしい」と語る“スター候補”が躍動。なぜブライトンには優秀な若手選手が集まるのか?
シティ戦で輝きを放った若き3選手
三笘が「交代で入った選手の質が素晴らしかった」と語ったように、ブライトンの交代策と、期待に応えた若手たちの活躍が勝因の一つになったのは間違いない。 後半開始時からセントラルMFとして入ったのは、20歳のカメルーン代表MFカルロス・バレバ。前出のシアラーが「バレバが試合を変えた。ブライトンはまったく違うチームに生まれ変わった。すべては彼の投入から始まった」と絶賛したように、中盤底の位置でボール奪取やプレスに走り、ブライトンを勢いづかせた。 もちろん、バレバだけではない。後半20分から出場した23歳のブラジル代表FWジョアン・ペドロも勝利に大きく貢献した一人。貴重な同点ゴールを挙げ、さらに決勝点もアシストした。 効果的だったのは、ペドロの位置取りだ。中央の位置から、三笘のいる左サイドに頻繁に流れ、同サイドで数的優位を作り出した。 ペドロが陣取ったのは「ハーフスペース」、つまりタッチライン側から見て、左サイド・中寄りのレーンだった。その結果、三笘が対峙していた相手サイドバックのカイル・ウォーカーのマークをペドロが引き付け、日本代表はタッチライン際でフリーでパスを受けられるようになった。 ブライトンの先制点は、三笘のクロスボールが起点だ。試合後、三笘は言う。「相手がディフェンスラインをコンパクトにしていたので、サイドが空いた。そこにボールが入れば前進できました」。 シティ戦の1週間後に行われたボーンマス戦でも、ペドロのスルーパスから、三笘が鮮やかにネットを揺らした。サムライ戦士は「ペドロがすごく動きまわる選手なので、彼の動きを見ながらやってます。また、対角のところにダニー・ウェルベックもいる。前線は良い距離感でプレーできていると思います」とし、攻撃陣の連係が向上していると話した。 もう一人、シティ戦でセントラルMFとして先発したジャック・ヒンシェルウッドも忘れてならない。下部組織出身の19歳。シーズン序盤は左右の両サイドバックを務め、最近はセントラルMFでプレーしているマルチロールプレーヤーである。地元紙『アーガス』でクラブ番を務めるブライアン・オーウェン記者をして「間違いなく、将来的にイングランド代表に入る逸材」と言わしめるヒンシェルウッドについて、三笘は次のように称賛する。 「戦術的に本当に高い能力を持っています。いろいろなところでプレーできる素質があるので、本当に素晴らしい選手だと思います。(彼は)僕がまだ大学生の時の年齢。イングランド代表でもアンダーの世代に入ってますし、ここからいろいろと吸収して、素晴らしい選手になっていくと思います。左サイドで一緒に組んだ時は、彼の良さを出しながらやっている。攻撃でも良いところにポジションを取ってくれる選手です」