赤白黄のトリコロールで彩る! 交通の要衝、新横浜・新羽の地に建つ古刹「西方寺」で彼岸花と萩を愛でる
横浜北部の交通の要衝となる港北区新羽町。東西を結ぶ大動脈の新幹線・新横浜駅から横浜市営地下鉄で2駅の新羽駅。近くには横浜と東京・世田谷をつなぐ第三京浜・港北ICの大回廊が青空を埋めている観光・流通スポットでもありますが、その地に1490年代に鎌倉・極楽寺から移転された西方寺が鎮座しています。移設後だけでも500年に及ぶ古刹は、実は花の名所として多くの人々を引きつけています。 【写真】西方寺に咲く彼岸花を写真で愛でる(全13枚)
参道の両脇を朱に染め上げる彼岸花の群生
西方寺はおよそ800年以上前の1190年に鎌倉・笹目の地(鎌倉中央図書館から海岸通りへの一帯)に創建されたそうです。建立後は、鎌倉殿つまり源頼朝公が帰依し、のちに北条の世になって極楽寺の一山として移されたそうです。その後、冒頭のように現横浜市港北区新羽町に移設され今日に至っています。 秋のお彼岸には彼岸花、曼珠沙華が山道を埋め尽くし、赤と黄色と白の彼岸花のトリコロールを作り上げます。平日でも多くの方々がインスタ映えを狙って足を運びます。参道の先には江戸時代末期に建てられた茅葺の山門。横浜市の指定文化財です。 山門の先には同じく市の指定文化財の本堂。平成期の大修理で江戸時代創建時の茅葺屋根が復活したとのことですが、境内芝生に埋められた敷石の回廊と主に見事なまでのシンメトリーは厳かです。 このほかには鐘楼堂や観音堂など、いずれも鎌倉から江戸へと受け継がれてきた歴史を感じさせる建立物に、そこだけ時がたゆたっているかのように感じます。
4シーズンで花が魅了する古刹の秋は彼岸花と萩が主役
西方寺は四季折々で花が訪れる人々の目を楽しませてくれることで、隠れた人気スポットの一つとなっています。春のお彼岸には中日桜、モクレンにミモザ。夏はアジサイ、アヤメにニッコウキスゲ。そして盛りを過ぎようかというこの秋のお彼岸は曼珠沙華が参道に3色。境内に珍しいピンク種の群生はやや遅れて盛りを迎えます。本堂脇には萩。そして冬はロウバイとツバキが華を競います。 水屋の手水鉢にも彼岸花が浮かぶ粋な演出で、お墓詣りの参拝者を迎え入れます。 墓参者と観光者が交錯する参道と境内はタイミングによっては大混雑しますが、決して群生地に足を踏み入れることのないようにしたいものです。ちなみに当寺の御朱印帳が豪華な曼珠沙華の刺繍入りで人気だそうです。
ソトラバ編集部