「とうとうやってしまった」 おかずはミートボールのみ 〝だけ弁当〟との「念願のコラボ」が話題に
これは間違いないやつ――。SNSで、あるお弁当が話題になっています。なんと、おかずはミートボールだけ。ローソンストア100の人気商品「だけ弁当」の新作は、あの食品メーカーとのコラボでした。話題のお弁当が生まれた経緯を聞きました。(朝日新聞デジタル企画報道部・武田啓亮) 【画像】全部知ってる? 12種類もある〝だけ弁当〟
ミートボールだけのお弁当
「とうとうやってしまった」 話題になっていたのは、「おべんとクン」で有名な石井食品の公式Xアカウントの投稿です。 投稿には、白いご飯とミートボールが詰まったお弁当の写真が。 ローソンストア100で販売されている、おかず1種類だけの「だけ弁当」とのコラボを知らせるこの投稿は37万回以上表示されました。 SNS上では「子どもの夢が詰まってる」「これは間違いないやつ」「こんなのが欲しかった」といった反応が寄せられていました。
3年待った念願のコラボ
弁当の価格は税抜きで298円。230円ほどで販売されている他の「だけ弁当」と比べると、少し高めの価格設定になっています。 石井食品・顧客サービス部の中村豪さんによると、この弁当には市販のおべんとクン1袋分にあたる10個のミートボールが入っているそうです。 「市販品をそのまま詰め込んでいただきました。味付けも変えていません」 ローソンストア100・商品本部の山田克徳さんは「実は、だけ弁当を世に出した当初から考えていた『念願のコラボ』だったんです」と明かします。 ローソンストアのだけ弁当は、2021年に発売されたウィンナーだけの弁当を筆頭に、多数のラインナップがあり、イシイのミートボールは第12弾だそうです。 「唐揚げなどのメインを張れるおかずではなく、『お弁当の定番ではあるけれど、主役にはなれないおかず』を詰め込んだお弁当」がコンセプトだそうです。 企画当初、社員からは20ほどの案が出たそうで、その中にはミートボールも含まれていました。 「『ミートボールのお弁当を作るなら、ぜひ石井食品さんのものでいきたい』という声が多かったです」 ただ、コストの問題など、商品化にはいくつか越えなければいけないハードルがあったそうです。 「だけ弁当は小ぶりなので、サラダやデザート、飲み物などと自由に組み合わせて楽しめるというコンセプトで誕生しました。様々な組み合わせを楽しんでいただくために、味にこだわりながらもできるだけコストを削減し、本体価格を200円台におさめる、という価格面での『縛り』がありました」 当時はイシイのミートボールをお弁当にするのは断念し、他のメーカーのミートボールを使ってミートボールだけの弁当を商品化したそうです。 その後、だけ弁当もシリーズを重ね、ラインナップは3年ほどで10種類を越えました。 「さまざまなご要望にお応えしているうちに、開発当初に立ち返り、社内でも多く声のあがった「イシイのミートボール」を商品化したい気持ちが強くなりました」 だけ弁当の第11弾でマルシンフーズとコラボして「マルシンハンバーグ」だけの弁当を発売したこともあり、当初の企画から3年越しに石井食品にオファーをしたそうです。 石井食品の中村さんは「弊社にとって、今年はミートボール50周年、来年は創業80年という節目です。幅広いお客様に商品を食べていただく機会になればという思いで、協力させていただきました」と話します。