達人流!エアブラシのトラブルレスキューQ&A【達人のプラモ術<エアブラシ編>】
【Q3】エアが出たまま押しボタン(トリガー)が戻らない!
どちらかといえば、ダブルアクションタイプで起きやすいトラブルです。 吹き付けの際、押しボタンから指を離したのに、ボタンが戻らずエアが出たままになる、あるいは戻るけれど戻りが渋い、といった症状です。トリガータイプでは、同じように引いたトリガーが戻らず空気が出たままになるといった症状です。 指で引っ張れば元に戻るのですが、これでは使いにくいので何とかしたですよね。
A:押しボタンのシャフトを洗浄すれば解決!
戻りが渋くなる原因は、押しボタンのシャフトが貫通しているピントンパッキンに塗料が入り込み、固まってしまうためです。 症状が出たら分解して、押しボタンのシャフトをクリーナーで洗浄。汚れがひどい場合は、綿棒を使いピストンリング側も洗浄します。 最後に押しボタンのシャフトにグりス(メンテナンスキットに付属)を塗布してやれば、スムーズ動くようになります。
【Q4】突然エアブラシが水を吹いた!
毎日蒸し暑い日が続きますね。こんな日は外に出ずにクーラーの効いた家で模型製作に没頭するのが一番ですよね。とはいうものの、プラモのエアブラシを使った塗装の大敵が湿度なのをご存知ですか? 雨の日や湿度の高い日にコンプレッサーに繋いだエアブラシを使って塗装していたら、いきなりビシャッと水を吹いて塗装が台無しになってしまった…。水性塗料でもないのになんで? って経験のある方も多いと思います。なぜこんなことが起きるでしょう、そしてどうすればふせげるのでしょうか?
A:レギュレーターやフィルターを使うことで水吹きを防ぐ
湿度の高い日や、コンプレッサー稼働時間が長い時に起きるトラブルが、エアブラシの水吹き問題です。 コンプレッサーが空気を圧縮した際、空気に含まれる水分も圧縮されます。その結果、大量の水分を含んだ圧縮空気となり、エアブラシに繋いだホース内で空気が冷やされることで、そこで結露、水滴に。これがエアブラシで塗料に混入し、一緒に吹き出してしまうために起こるトラブルです。 ホース内で結露する量は多くはありませんが、ホースの中の結露は確認しづらいため、ある日突然、塗料と一緒にビシャッと吹き出してしまうということです。 これを防ぐには、湿度高い日は塗装をしない…。それがベストではあるのですが、高温多湿の日本ではそうもいきません。 そこで対策としてコンプレッサーに水抜きタンクを装備する、あるいはエアブラシにドレンキャッチャーを取り付けることになります。 水抜きタンクの場合は、コンプレッサーの空気をいったんタンクに貯めて、そこからホースに空気を送るので、含まれる水分がホースに回るのを防いでくれます。 市販されている多くの模型用コンプレッサーは、初めから水抜きタンク装着されているものが多く、大抵の場合、エアーの圧力を調整するレギュレーターと一体になっています。模型用のレギュレーター(水抜きタンク)は、タミヤやMr.ホビーをはじめ各社から発売されているので、現在使用中のコンプレッサーに水抜きタンクが付いていない場合でも、後付けが可能です。 また、小型のコンプレッサーや低圧タイプでは、水抜きタンクがつけられない場合もあります。 その場合、簡易型としてエアブラシとホースの間に取り付けるドレンキャッチャーがあります。エアブラシとホースの間に繋ぐことで空気をいったん内部に溜めてくれるので、エアブラシに結露した水が回るのを防いでくれます。 あと達人的には、コンプレッサーに水抜きタンク、さらにコンプレッサーとエアブラシを繋ぐホースに透明なものを使用して予防しています。ホースが透明だと内部の結露が目視できるメリットがあります。そして最終防衛線として、エアブラシにドレンキャッチャーを装着することで水吹きを防いでいます。 ▼タミヤ「エアーレギュレーター メーター付き」(6600円) コンプレッサーからのエアー圧力の調整およびエアー中の水分やホコリも取り除けるレギュレーター。レギュレーターのないコンプレッサーに接続して使用する。本体上部の調整ダイアルを回して、エアーの圧力をゼロから最大まで無段階に調整できる。エアー圧力が一目でわかるメーター付。エアーホース接続は、模型用エアブラシの一般的な規格ネジSサイズを採用しているので、ほとんどのホースが取り付け可能。 ▼Mr.ホビー「Mr.ドレン&ダストキャッチャー ライト」(3850円) 「Mr.ドレン&ダストキャッチャー」をエアブラシに接続することで、エアブラシ手前でエアホース内の水滴を除去してくれる。「ライト」タイプはアルミ製で24gと軽いのが特徴。また取り付けることでグリップの替わりにもなり、エアブラシが握りやくなる。