オリックス3連戦で巨人が球団史上初の不名誉な記録…ここは岡本の奮起しかない【柴田勲のコラム】
「悪い時の巨人に戻ってしまった」
巨人が7日からのオリックス3連戦で3タテを食らった。今季3度目で、リーグ3位に転落した。この3連敗を見てまず思った。 巨人・原前監督は1位にランクイン【写真特集】プロ野球監督別リーグ優勝回数ランキングベスト10(1990年~2022年)
「また、悪い時の巨人に戻ってしまった」 2点を取るのが精いっぱい。こう言われた時期が長かったが、7日の初戦では東晃平に8回を2安打無失点、8日は19歳、齋藤響介の前に5回1安打無失点と打ちあぐねた。 中継ぎ陣にもかわされて2試合連続完封負けだ。そして3戦目の9日は育成出身で1軍初登板初先発の左腕・佐藤一磨に5回まで無得点に封じられた。 6回、坂本勇人が3番手の吉田輝星から犠飛で1点を奪ったが、3試合連続完封負けを免れるのがやっとだった。
各打者の対応力が足りない
オリックス先発の三投手はいずれも初対戦だった。巨人戦初登板の投手に3試合連続で白星を献上したのは球団史上初だという。 巨人は「初物」に弱いといわれる。もちろん、対戦前にはデータや資料をチェックして臨むことになるが、ここで求められるのは各打者の対応力だ。 これが欠けていたということだし、逆にオリックスの先発投手たちは巨人打線にひるむことなく勝負していた。 中嶋聡監督は齋藤、佐藤を5回で引っ込めた。代える必要はなく、もっと投げさせてもよかったが、「これだけ投げれば儲けもの」と後は中継ぎ陣に託した。巨人はいいところなくかわされた。 オリックスは12球団で最も主力のケガ人が多い。先発の柱の宮城大弥に守護神の平野佳寿、打線の主軸・森友哉ら……昨年に比べると戦力はかなり落ちている。
岡本和真の奮起しかない
この3連戦前、3連勝はあっても3連敗はない、一つは絶対に取れると思っていた。 イヤなのは戸郷翔征、菅野智之で落としたことだ。この二人でそろって負けたのだからこれは痛い。 フォスター・グリフィンはいい球を持ってはいるのだが、ストライクとボールがハッキリしている。そこが欠点だ。次回の登板が正念場となろう。 3連戦で合計10安打1得点。結果もさることながら内容が悪い。悪過ぎる。 ここはもう、4番・岡本和真の奮起しかない。3連戦、10打数無安打だ。 甘い球や狙い球を空振りしている。ファウルにもできない。空振りはダメだ。自信なさそうに振っている。この繰り返しでベンチに戻ってくる。 2ストライクと追い込まれれば、どんな球にも対応しなければならない。挙句、外角のボール球やショートバウンドした球にも手を出している。打者が打てない時の典型だ。追い込まれる前にモノにする必要がある。 岡本和にばかり責任がいくけど、それは仕方がない。4番だ。主砲に一発が出ればチームの雰囲気は一変する。士気が上がる。