オリックス3連戦で巨人が球団史上初の不名誉な記録…ここは岡本の奮起しかない【柴田勲のコラム】
「ブリブリ振っていこうぜ」
4日のロッテ戦で9者連続安打というセ・リーグのタイ記録を作った。打線が爆発したように見えるが、ラッキーなヒットが多かった。どれだけ芯で捉えた打球があったか。 阿部慎之助監督は打撃陣に「ブリブリ振っていこうぜ」と号令を出していた。 とはいっても、なんでも振るということではなく、甘い球や狙い球を積極的に振っていこう、捉えようということだ。 この3連戦、巨人打線で甘い球、狙い球をフルスイングした打者がどれだけいたか。自分のタイミングで振っていない。ダラダラした印象だった。一番思い切り振っていたのは泉口友汰だったと思う。 現状、坂本が抜けると5番~8番は迫力がない。点を取れそうな気がしない。上位打線にしても丸佳浩、吉川尚輝の好調はいつまでも続かない。 気になるのはエリエ・ヘルナンデスだ。ストライクを見逃して、ボール球を振るシーンが多くなった。 最初は無我夢中でやっていたが、余裕ができてきたのか。もっと積極的に振ってもいい。11日からはビジターで楽天、日本ハムとの6連戦だ。楽天は交流戦で1位だ。巨人の先発は山崎伊織か。 巨人は初っぱなを山崎で落としたら苦しくなる。ズルズル落ちていく可能性がある。踏ん張ってほしい。最後に岡本和の奮起をもう一度、呼びかけたい。(成績などは10日現在) 柴田 勲(しばた・いさお) 1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。 デイリー新潮編集部
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