「シーズン100敗」も現実味、親会社の株主総会も波乱含み…プロ野球西武の凋落
日本一に13回輝いたプロ野球西武が、今シーズン不振にあえいでいる。交流戦は4勝14敗と最下位に終わり、「借金」は25まで膨らんだ。シーズン途中で休養した松井稼頭央監督に代わり、渡辺久信ゼネラルマネジャー(GM)が監督代行として交流戦から指揮を執るが、浮上の兆しは見えてこない。このままのペースでいけば「シーズン100敗」も現実味を帯び始めており、識者からは抜本的な見直しを求める声が出ている。 【写真】休養が発表されて球場を引き揚げる西武・松井稼頭央監督。ラフな格好がよもやの通告だったことを物語る ■チーム打率は1割台目前 2018、19年にはパ・リーグで連覇を達成した西武だが、今季は黒星が大きく先行している。ここまで63試合を消化し、19勝44敗と最下位に低迷。特にチーム打率(2割2厘)は12球団ワーストと、ファンも目が覆いたくなるような「貧打」に苦しんでいる。 5月27日付で渡辺GMが監督代行に就任したが、交流戦でのチーム打率は1割7分1厘と12球団唯一の1割台で終了。シーズン当初から続いている貧打の現状を、交流戦でも打破することができなかった。球団周辺からは「来年以降に向け、どのように再建のビジョンを示せるか」と、今後のチーム状況を懸念する声も上がっている。 パ・リーグ情報を配信するウエブサイトを運営しているスポーツライターの氏原英明さんは「やり方は変わっても、戦力自体が変わっておらず、故障している選手も多い」とした上で「試合で失策した選手を途中交代させても、翌日の試合ですぐに先発出場させるなど、(渡辺監督代行の)采配に『らしさ』も感じられた。ここから選手の意識がどう変わってくるかだろう」と指摘する。 ■ドラフトの戦略練り直しも かつてチームの中心選手だった森友哉(現オリックス)、山川穂高(現ソフトバンク)、秋山翔吾(現広島)らが相次いでチームを去り、連覇当時に比べて野手のメンバーは大幅に入れ替わった。しかし、主力選手が相次いで流出したにもかかわらず、チームの中軸を任せられる生え抜きの選手がなかなか育っていないのが現状だ。 氏原さんは「近年の西武のドラフトでは、慎重さが目立っていた。ドラフトでの戦略を含めて練り直す必要があるのでは」と指摘する。