増え続ける飲食店の倒産 失われた老舗のカレーライスが復刻【WBS】
東京商工リサーチが8日に発表した2月の企業倒産件数は712件と、ここ2年近く、前の年よりも増え続けています。物価高や人手不足などを背景に、飲食業の倒産も多いようですが、その一方で閉店した飲食店の味を復活させる取り組みが始まりました。 茨城・日立市の商業施設の中にあるフードコート。中でも特に多く注文されていたのが、カレーライスです。 野菜や果物に牛乳、赤ワインを入れて、ミキサーにかけ、豚肉をじっくり煮込んで作る本格的なカレーです。客からは「肉がやわらかくておいしい」「全く同じ。当時を思い出す。当時のカレーには目玉焼きを乗せて」との声が上がります。 実はこのカレー、2019年に閉店した日立市内にある老舗の中華料理店「えでん」で作られていた「豚バラ肉のカレーライス」を復刻させたものです。病気で先代の店主が亡くなった後、娘が後を継ぎましたが、その直後にコロナが発生。廃業を余儀なくされたといいます。 店の常連客だったという客は「涙が出そう。いろいろ店主だったおじさんを思い出して。こういう形で復活しているのは喜んでいると思う」と話します。 このカレーライスの復活を手がけたのが、グルメサイトなどを運営する「ぐるなび」です。 「人手不足だったり、物価高で廃業した店もある中で、地域の活性化になる」(「ぐるなび」の高橋毅さん) ぐるなびは新たに出店するのが難しい全国の小さな飲食店から依頼を受け、フードコートで販売する取り組みを進めていて、ここでは7つの店のメニューを扱っています。今後、地元で愛された店のメニューを復刻させることで目玉にしたい考えです。 「ぐるなびの飲食店のネットワークを利用しつつ、店舗開発事業は収益の柱になるように、取り組んでいる最中」(高橋さん) ※ワールドビジネスサテライト