ソニーGによる買収報道でKADOKAWA株が急騰、そして急落…投資家はどう動けばいいのか
ニュースに振り回されないためには
では、このような報道があった場合、投資家はどう行動するべきなのでしょう? 株式市場には「噂で買われ、事実で売られる」という言葉があります。企業買収や、業務提携、経営統合などのニュースは、投資家の期待を煽り、株価を一時的に押し上げる傾向があります。さらに、SNSの発達により未確認情報が拡散されたり、AIやアルゴリズムが特定のキーワードに反応して、大量の注文を出したりすることにより、株価の急変を助長します。そこに、「今買わないと乗り遅れる!」と焦る群集心理が乗っかると、株価は常識を超えて動いてしまうのです。 こういったニュースに振り回されないためには、まずは「冷静」であるべきです。SNSやネットニュースではなく、公式発表を確認しましょう。今回の場合、11月20日にKADOKAWAは「一部報道について」というお知らせを出しています。 内容は、 ・「報道は当社が発表したものではない」 ・「初期的意向表明は受領しているが、決定事項はない」 といったものです。 11月19日の報道後、多くの投資家が「今買わなければ利益を逃す」という心理にかられました。しかし、公式発表を待ってからでも十分に対応はできたはずです。もし、翌日の公式発表を確認していれば、急騰した高値で買ってしまうことは避けられたでしょう。 もちろん、このあと正式に買収が決定する可能性もありますが、実際そうなったとしても、すでに株価は急騰しているので、そのニュースは織り込んでいることになります。実際に買収が発表されたとしても、ここからさらに上昇する可能性は低く投資妙味にかけます。
情報リテラシーの大切さ
情報の発信元が複雑化し、なおかつ拡散スピードがはやい社会において、投資家にとってもっとも重要なスキルは、「正確な情報」を入手し、それを冷静に分析する能力かもしれません。 そのためには、 1. 一次情報を確認する 企業のIR(投資家向け情報)やプレスリリースを確認する 2. 複数の情報源を比較 ひとつのニュースソースだけに頼らず、複数の信頼できる情報源をチェックする 3. SNS情報に注意 SNSは情報が早い一方で、誤情報も多く含まれため、かならず情報元を確認する。 この3点をつねに意識しておきましょう。