【京都ひとりランチ】じっくりコースを堪能!静かに料理と向き合える和食処3軒
ひとり旅ならではの食事処を探しました。ひとりで訪れたときにも緊張せずに楽しく過ごせ、静かに料理と向き合える。そんな“おひとりさま”におすすめの食事処で、コースを堪能できるランチ処をご紹介します。
りょうりや 〇(えん)|和洋の遊び心を盛り込んだ料理や演出で客をもてなす
「この店での時間を、お客様に心から楽しんでいただきたい」と話すのは渡辺巧さん。自らを店主ではなくオーナーシェフと称し、和食だけではない食の演出や技法で、おまかせコースを組み立てます。「弧玖(こきゅう)」など正統派和食店だけでなく、 オリジナリティ溢れる料理や演出で客を楽しませる「東山吉寿(よしひさ)」での経験がいまに繋がっているのだそうです。 その料理は、師の教えや伝統の技術を守りながらも、型破りな革新にも挑戦していく「守破離」を体現したもの。たとえば、12月の八寸には、クリスマスをイメージした「フライド・クエ」や金箔を散らしたほうれん草のツリー、伝統的な黒豆や梅人参も盛り込んだ和洋折衷。塗りの重箱に赤いリボンがかけられ登場します。昼のコースは、フィンガーフードの後に、お椀、お造り、八寸、焼物、冷たい料理といった10品。お椀を庶民の味「肉吸い」にするなど、飽きさせません。 <写真>「タクミのフライド・クエ」やミルフィーユ状の「苺白和え」、「海老の旨煮」などが盛られた八寸。
「今後もフレンチやイタリアンの要素も盛り込んでお客様に喜んでいただきたい」と渡辺さん。カウンターのみんなが笑顔になる明るい店を目指すと言います。 <写真>「肉吸いの薄葛仕立て」は、九条ねぎと七味を添えた椀。 【りょうりや 〇(えん)】 京都府京都市中京区三条猪熊町635-1 コース朝6,000円、昼16,000円~、夜22,000円~(いずれもサ込) ※要予約 営業時間/8時30分~10時(朝食、土日のみ)、12時~、17時か18時30分(昼、夜は一斉スタート) 定休日/水曜
即今藤本(そっこんふじもと)|名店の味を引き継ぐ懐石料理をしみじみ味わう
御所南の住宅街の一角、石畳の路地の先に店を構える「即今藤本」。店主の藤本宏和さんは広島県出身。惜しまれつつ閉店した懐石料理の名店「桜田」で修業し、その後京都ホテルオークラの「入舟(いりふね)」に入店。「粟田山荘」では料理長を務めた正統派の和食の料理人です。 「『桜田』の季節感溢れる麗しい料理、室礼はもちろん、調度や花、器遣いなどすべてに憧れ、門をたたきました。いまも、その料理に近づけるよう努める日々です」と言います。 <写真>名物の八寸。「あんぽ柿とからすみ、スモークサーモンの小鉢」、「いくらの醬油漬けとウニ」、「なまこのみぞれ和え」、「鴨ロースと焼葱のマスタード添え」が美しく盛られる。